【人生、燃えてこそ面白い――求感性という話】
【人生、燃えてこそ面白い――求感性という話】
ある本の原稿を編集していて、幸せの定義というのがあった。
今年に入り、スタジオで炊飯器で料理をするのに頭を使う。
鶏肉と大根を煮てみたり、カレーをつくったり。
先日は、鶏肉と大根の煮物が実にうまくできた。
二日目はさらに味が染みて、これがまたうまい。
残ったところにカレールーを入れてみたら、和風カレーになった。
味変で、醤油を少し足したら、成功、温泉卵まで入れてみた。
こんなことをやっていると、次は何をつくろうかと考える。
実にめんどくさいと思う反面、楽しんでいるのかもと思う。
別に高級食材を使っているわけでもないし、
立派な料理をつくっているわけでもない。
ただ、自分で工夫して、一人で食べて、うまいと思う。
それだけのこと。
一方、仕事はどうか。
出版社の経営なんて、楽しいことは少ないかもしれない。
毎月、資金繰りに頭を悩ませる。
売れると思った本があまり売れなかったり。
思いどおりにいかないことなんて、いくらでもある。
では、不幸なのか。
でも、次はどんな本をつくろうか。
どうしたらもっと売れるだろうか。
今までやったことのないことにも挑戦してみたい。
そんなことを考えれるが、ワクワクするというのか?
もちろん、資金繰りの問題がワクワクするわけではありません。
そこは何とかしなければならない。
でも、問題があることと、人生がつまらないことは別の話だ。
ここで、冒頭の話に戻る。
幸せって、何でしょう?
豪邸に住んで、お金がたくさんあっても、
「自分は不幸だ」と思っていたら幸せではない。
六畳一間で暮らしていても、
「幸せだなあ」と感じていれば、その人は幸せです。
つまり、幸せは条件だけで決まるものではない。
幸せは、考えるものではなく、感じるもの。
愛も、生きがいも同じだろう。
他人が決めるものではないし、それぞれ異なる。
「求感性(ぐかんせい)」という言葉がある。
感受性は、何かを受けて感じる力。
求感性は、自分から感じ取ろうとする力。
私は、この違いが大切だと思う。
炊飯器で料理をするのも、ただ腹を満たすためなら、何をつくってもいい。
でも、もっとおいしくできないか。
これを入れたらどうなるだろう。
次は何をつくろうか。
そう思うから面白くなる。
仕事だって同じです。
問題が起きたら、どう解決するか。
新しいことを思いついたら、どう実現するか。
自分から求めるから、気づくことがある。
求めなければ、感じ取ることはできない。
これが求感性という考え方です。
私は、人間が成長するというのは、
知識が増えたり、仕事ができるようになったりすることだけではないと思っている。
同じ出来事でも、以前とは違うことを感じる。
当たり前だと思っていたことに感動する。
失敗したことから、今まで気づかなかったものを感じ取る。
感じ方が変わることも、人間の成長なのです。
65歳になっても、知らないことは山ほどある。
やってみたいことも、まだまだある。
炊飯器料理一つでも、新しい発見があるのだから、人生は面白いとも思える。
お金があるから幸せなのではない。
問題がないから幸せなのでもない。
自分が何を感じ、何を求めて生きるか。
そこに人生の面白さがあるのだと思う。
人生、燃えてこそ人生。
そして、燃えるのは理屈ではなく、感性。
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