『つりひろの入院妄想記~一病息災~「一」の章』◆身体は何を考えているのか? なぜ、深酒をしていたのか?◆身体は何を考えているのか? なぜ、深酒をしていたのか?
◆身体は何を考えているのか? なぜ、深酒をしていたのか?
人が何かをする裏には、身体からのメッセージがある。水を飲みたければ身体が水を求めている。高カロリーのものを食べたいなら、身体はエネルギーを補給しようとしているのか、腹の周りに脂肪を蓄えようとしているのか、それとも早く成人病になろうとしているのかもしれない。
これまでの私は、ほぼ毎日お酒を飲まずにはいられなかった。ビール、日本酒、焼酎、ワイン…。家にあるものなら何でもよかった。今までに摂取したお酒の量を計ったことはないが、東京ドーム一杯分にはなるだろう(すみません。嘘です)。
では、私の身体はお酒に何を求めていたのだろうか? アルコールそのものを求めているのだろうか? だが、アルコール粉末やアルコール入りのお菓子やチョコを食べたいわけではない。炭酸を求めているのかとも考えたが、日本酒やワインには炭酸は含まれていない(炭酸入りのものもあるが、基本的には好きではない)。炭酸が好きなら炭酸水だけでも良いはずだ。
例えば「ラーメンのどこが好きなのか? 麺なのか、スープなのか、塩加減なのか、チャーシューなのか」と問われても明確に答えられないように、「お酒に何を求めているのか?」という問いにも明確な答えを出すのは難しい。ただし、種類の好みを語ることはできる。
毎日お酒を飲みたい、種類は何でもいい、さらに深酒をしてしまう――これらを考え合わせると、私の身体(あるいは脳)がアルコールによる麻酔状態を求めていたのではないかと推測できる。もう少し分かりやすく言うと、私の精神や心が求めていたと言った方が適切だろう。
しかし、精神や心が求めているのか、身体が求めているのか。それとも両者を切り離して考えるべきなのか――。
二日酔いになったことのない人には分からないだろうが、二日酔いの朝は自己嫌悪に陥るし、胃腸や肝臓、腎臓に大きな負担をかけているのを実感する。トイレで尿や便をした際の独特な香りや、体からアルコールが抜けていく感覚も何とも言えない。そして「今晩はもう飲まないぞ!」と固く決意する(もっとも、その決意が夜には吹き飛ぶことも多い)。
では、なぜ私の身体(脳や精神・心)はアルコールを求め、拒否しないのだろうか? 麻酔状態で生きるのは社会的に危険だ。社会が嫌なら朝から飲めば良いが、さすがにそれはしない(中にはそういう人もいるが…)。
私がアルコールを飲む目的は何だったのか? おそらく「酔うこと」だったのだろう。だからお酒を楽しむのではなく、酔うまで飲む。体調が良いときや緊張する相手と飲むときには、飲む量が増えた。翌朝、胃が痛くなったり下痢をしたりすることもよくあった。身体は悲鳴を上げていたのだ。それでも「付き合いがあるから」などと言い訳し、自ら理由を作った。たとえば花見、誕生日、記念日、何か良いことがあった日…。
その根本的な原因は一言で言えば「ストレス」である。ストレス解消のためにアルコールというストレスをさらに加える――そんな悪循環だった。
では、私のストレスの正体は何だったのか? なぜそれがストレスになったのか? それについては別に書くことにする。
忘れられない飲み方がある。師匠の家で一緒に夕食をとったときのことだ。
「つり! お前、酒好きだろう? 一杯飲もう!」
そう言って師匠は、お猪口を二つと300ミリリットル入りの日本酒を一本取り出した。そしてお酒を注ぎ、乾杯して飲んだ。つまみを食べながら話をして、師匠のペースに合わせて杯を傾ける。300ミリリットルだから二~三杯も飲めば瓶は空になった。そしてご飯を食べた。
もっと飲みたい気がしたが、それ以上は出てこなかったので出されたご飯を食べた。そのとき、顔が少し赤らみ、軽く酔いが回っている感じだったが、家に安全に帰ることができ、帰宅後に仕事をすることも可能だった。何より、師匠が話してくれた内容を覚えていた。このとき、「こんな飲み方をしたい!」と思ったものだ。
しかし、いつしかそんな飲み方を忘れ、記憶がなくなるほど飲むようになっていた。私の身体の一部が私の身体を壊していたのだ。
入院してみると、アルコールなしでも何の問題もなかった。手が震えるわけでもなく、お酒を飲みたいという衝動も湧かなかった。
お酒のせいでエンゲル係数も相当に高かった。
退院したら、師匠と同じ飲み方をしよう! そう決意した。
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