「5億年ボタン」
「5億年ボタン」というストーリーがある。
考えさせられる内容だった。
どんなストーリーかというと、
いくらバイトしてもなかなかお金が残らない子のところに、ボタンを押すだけで一瞬で100万円が手に入るものがあるけどやってみる?という話が来た。
ボタンを押した瞬間、感じないレベルで微弱電流が流れてワープする。
ワープして、5億年間ずっと一人で何もない空間でただひたすら生きていろ、というバイト。
本当に何もない空間の中でいるだけで、意識とかはっきりしていて、眠ることも死ぬこともできない状態。
でも、5億年終わった瞬間に、元のボタンを押した瞬間の時間も体も元の状態にもどって、5億年の記憶はすべて消されてしまう。
記憶が消されているので、ボタンを押した瞬間に100万円が出てくる感覚。その人には
一瞬で100万円を稼いだ気分になるという。
でもやっている最中は5億年はとてつも長い時間。
何にもやることがなく、はっきりした意識で5億年の時間を味あわなくてはいけない。
やってみたいですか?
というもの。
実際に、この主人公はボタンを押しました。
たしかに一瞬で100万円が出てきました。なんだ、何も起こらない、って思っていた。
5億年のバイトがスタートした。
まっくらで何もない空間に放り出されました。
最初のうちは、周りをうろついたり走って出口を探したが、何もありません。
走っても走っても同じ景色。疲れるということがないので、どんどん走り続けても、何も変わらない。結局3日間走りましたが、出口はなかった。
これから一体どうなるんだろう。両親は心配してないかな、と不安になってきました。帰りたいな、と思いながら1週間を過ごしました。
3か月後、お腹も減らないし特に苦しくないけど、漠然とした恐怖が襲ってきました。
半年後、右手と左手の一人じゃんけんをやりはじめました。一人でできる時間つぶしです。
体は全然痛くないので、自分の体の一部をはずして遠くになげて取りに行くゲーム。1年後、他の人とじゃれあう妄想をしたりしました。
それから40年後、もう何もしなくなりました。現実に生きていた時間よりも、こちらの時間の方がながくなって辛くてたまらなくなりました。でも年を取ることはない。
100年間経った。もう横になっているだけ。
あと40億9千9百99万9900年残っている。
ここにきてから1万2千66年目。もう考えることをやめました。でも、死ぬことも意識を失うこともできません。

504万9272年目、突然哲学的な疑問が走りました。
本当はこちらが現実なんじゃないかと。
一体ここは宇宙のどこなんだ、自分は前にいたところになんで戻りたいんだ、と思うようになりました。
もう人間の英知を超えた発想と理論の枠で真理を追究していた。そして宇宙を理解し悟りを開きました。
完全に空間と調和しました。
そして5億年目。ついに元の世界に戻りました。記憶をすべて消された。
彼にとっては、1秒にも満たない時間で100万円が出てきました。
これはすごいバイトだ!と16回ボタンを連打しました。
これから、5億年16往復の旅がスタートします。
みなさんは、ボタンを押しますか?
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