高額出版契約の実例と見抜き方【現役出版社が警告】
出版詐欺ではないが要注意 高額出版契約の実例と見抜き方【現役出版社が警告】
「出版詐欺」という言葉を聞くと、明らかな詐欺行為を想像する方が多いかもしれません。
しかし実際には、法的には問題がなくても、著者の想いを搾取していると感じざるを得ない出版契約が、今も数多く存在します。
私のもとには、ここ1〜2か月で4件の出版相談が寄せられました。
いずれも契約書や見積書を確認して、率直に言って驚かされる内容でした。
この記事では、
-
実際にあった高額出版契約の具体例
-
よくある「出版詐欺的スキーム」の特徴
-
見積もりで必ず確認すべきポイント
-
万代宝書房が大切にしている出版姿勢
を、現場の実例をもとに解説します。
実例①|地方の自費出版社|200万円・1年後は事実上の絶版
最初の相談は、地方の自費出版社との契約でした。
-
費用:約200万円
-
部数:500冊
-
ページ数:約200頁
-
巻きカラーカバー/本文モノクロ
-
編集難易度:特別高くない
一見すると、よくある自費出版に見えます。
しかし問題は契約条件でした。
-
出版権は「1年限定」
-
1年後はAmazon・楽天・書店取寄せすべて不可
-
出版社は在庫を持たず、自社サイト販売もしない
-
実質「絶版扱い」
-
在庫は著者に返却(しかも倉庫保管料は別途請求)
1年後、著者の自宅には大量の在庫が残りました。
相談を受けた時には、残念ながら打つ手はほとんどありませんでした。
実例②|有名出版社|800万円→「いくら払えますか?」の交渉
2件目は、誰もが名前を知る有名出版社。
-
「原稿があるなら見たい」と依頼され送付
-
提示された金額:800万円
-
内容:編集サポート+1000冊+書店配本
著者が「そこまでの資金はない」と伝えると、
返ってきた言葉はこうでした。
「では、いくらなら払えますか?」
200万円と答えたところ、
「その金額ではサポートは打ち切りです」で終了。
出版内容や価値ではなく、払える金額で決まる出版。
この時点で、違和感を覚えない方が不思議です。
実例③|中堅出版社|200万円提示→100万円で適正出版
3件目は中堅出版社。
-
提示額:200万円
-
ページ数:160頁
-
「書店に並ぶ」と説明
契約を迷っていたタイミングで、知人から万代宝書房を紹介されました。
-
原稿を精査
-
加筆修正の方向性を提案
-
本当に必要な工程だけを整理
結果、費用は約100万円で出版。
内容・品質・目的、すべてに納得した形での契約となりました。
実例④|地方出版社|120万円→80万円に適正化
4件目も地方出版社。
-
当初提示:120万円
-
500部
-
オールカラー
-
巻きカバー
-
約96頁
相談を受け、出版目的を丁寧にヒアリングした結果、
-
64頁
-
オールカラー
-
巻きカバー
-
500部
80万円での出版を提案しました。
内容を整理すれば、不要なコストは確実に削減できます。
「出版詐欺」と言われる構造の正体とは?
多くのトラブルに共通しているのは、次の点です。
よくある出版詐欺的スキーム
-
著者の「本を出したい」という想いにつけ込む
-
出版工程や内訳が不透明
-
「売れる」「書店に並ぶ」と過度に煽る
-
効果不明なブランディングを高額でセット販売
-
出版後の販促・販売はほぼ放置
「出すだけ出して終わり」
これは、残念ながら珍しい話ではありません。
見積もりが高すぎると感じたら、必ず立ち止まる
実際に他社の見積書を見せていただくこともあります。
項目は多いものの、金額が明らかに不釣り合いなケースが非常に多い。
また、出版塾やコンサル契約で
-
数百万円
-
契約後も成果が見えない
という相談も増えています。
中には、2年前に支払ったのに、いまだに本が出ていない方もいます。
万代宝書房が大切にしている出版の考え方
万代宝書房では、
「本を出すこと」自体をゴールにしていません。
重視しているのは、
-
なぜ、この本を出すのか
-
誰に、何を届けたいのか
-
出版を通じて、何を実現したいのか
売ることを目的に知る方は、お断りしています。
派手な営業トークはありません。
その代わり、後悔しない出版を一緒につくります。
著者の想いを守る出版でありたい
出版には、確かに夢があります。
だからこそ、その夢を食い物にする構造があってはならない。
「このままでは被害者が増える」
これは誇張ではなく、
すでに私の身近で起きている現実です。
そして、
著者の夢を“売る側”ではなく、“守る側”でありたい
そう強く思っています。
関連情報