◆役立たず!
◆役立たず!
人の喜びは、人に役に立つことではないでしょうか?
すべての人々は、役に立ちたいと思って生きているのではないでしょうか?
本当かな、と思う人もいるかもしれませんが、たとえば、「役立たず」、と言われた時、どう感じるでしょう。
高校教員のとき、1年生の担任の先生が、学校祭のステージでセリフを忘れて失敗した生徒に言ったセルフ。
「お前は役立たずだな」
その子は、当然がっくりしました
隣にいた私はすかさず、
「俺は、そうは思わないぞ、失敗しちゃったな。それだけだ。がんばっていたのはわかっていたぞ」
彼の顔をが上がった。でも、その子は卒業まで2度とステージに上がることはなかった。
そして、卒業式の日、わざわざ私ところに来てくれた。
「先生、あの時、ありがとうね。俺、先生の言葉で救われたんだ」
私は、そのことを言ったことも忘れていた。
でも、その時、痛感した。
人は、役立たず!と言われることが、どんなにつらい悲しいことなのか。
殆どの人が、つらかったり、自分のことを叩いたり、悲しかったりするはずです。
役に立つ働きをすることが、奉仕の始まりです。
奉仕のみを生きる代表のひとりは、母親だと思うのです。
子どもを、無条件で育てるのです。生まれたばかりの子どもは、夜中に何度も起きたりします。そんなとき母親は、起きあがって、赤ん坊と一緒に過ごします。
ミルクを与えるために、子どもの分も、栄養のあるものを食事をしたり、子どもが泣けば、泣いて、何を母親に伝えようとしているのか、観ます。
一生懸命、観ます。そして、ミルクを与えたり、おしめを取り替えたり、話しかけたりします。
赤ん坊が、動くことができるようになると、何をするかわかりません。危ないものを、飲み込まないようにとか、角に頭をぶつけないようにとか、子どもは、大人より視野が狭い分、何が起こるかわかりません。
こんなふうに、毎日が奉仕です。
赤ん坊に、これをしてあげたから、何か返してよ、はないのです。
母親だけではありません。病氣をもつ家族の、世話をするのも奉仕です。
役立たず!は、めったに使ってはいけない言葉など思っています。
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