今日発売の『竹簡孫子研究 戦いの原理は、陽で陰を撃つ』を編集して思ったこと

「全きで勝つ」とは何か? ――竹簡孫子が教えてくれた「君主のための兵法」

「戦わずして勝つ」――孫子兵法を語るとき、必ず耳にするこの言葉。

私も長年、「争いを避けるのが最善策」と理解してきました。

 

しかし、本日6月30日に出版した新刊『竹簡孫子研究 戦いの原理は、陽で陰を撃つ』(著:横山成人)を読み、その理解がいかに浅かったかを思い知らされました。

 そしてそこには、「兵法」という言葉に対する誤解、そして「君主」という存在に向けられた深い思想がありました。

 

 

「全きで勝つ」とは、「一切の損耗なく」勝つということ

 竹簡孫子における最大の特徴の一つが、「全き(まったき)で勝つ」という発想です。

 勝ったとしても兵力を削ったり、国土が荒れたり、民心が離れてしまっては意味がない。

 「完全な勝利」とは、自国にも他国にも最小限のダメージしか与えず、秩序を維持しながら事を収めることなのです。

 

 この考え方は、単に「戦わない」ことを美徳とする表面的な理解とはまったく違う、深い戦略の根幹です。

 私は正直、この「全きで勝つ」という概念を読むまで、「戦わずして勝つ」という言葉の本当の意味を理解していませんでした。

 

 

「将」ではなく「君主」のための兵法書

 この本では、竹簡孫子の視点を「将軍」ではなく、「君主」=リーダーに据えています。

 これは大きな違いです。

 現行の孫子兵法書では、軍をどう動かすか、戦場でどう勝つかに重きが置かれがちですが、竹簡孫子では、「いかに国全体を動かすか」「いかに指導者として民の秩序を保つか」が主軸に据えられています。

 

 私自身も経営者として、日々「戦い」のような判断を迫られる中で、この「君主の兵法」という観点は、大きなヒントになりました。

 

なぜ戦わずして勝つのか? その「理」を深く読む

 「戦わずして勝つ」ことがなぜ可能なのか。

 そのカギは、「自然の理」と「陰陽のバランス」にあります。

 

 本書では、竹簡孫子を陰陽理論と照らし合わせながら、「戦いの原理は陽で陰を撃つ」と明快に解釈しています。

 戦とは、ただ戦術で優れるのではなく、「自然の理にかなった行動」によって勝利を収めること。

 

 この読み方は、これまでの孫子の解釈にとらわれず、より根本から「なぜそうすべきか」を考えさせてくれます。

 

経営も「戦」である――だから孫子は今も生きている

 現代における「戦争」とは、もはや物理的な武力だけではありません。

 ビジネス、交渉、政治、情報戦……。

 むしろ見えない戦いこそ、日常にあふれています。

 

 このような時代だからこそ、竹簡孫子の思想が改めて注目されるべきだと私は感じました。

 

 実際、著者である横山成人氏には、私自身、万代宝書房の経営のことで何度も相談をさせてもらっています。

「いま動くべきか、動かないべきか」

「陽の勢いで勝つとはどういうことか」

「敵ではなく“地形”を読むべきときとは」

など、非常に具体的な兵法的アドバイスをいただいてきました。

 

 経営判断の場面で、これほどまでに「兵法」が生きるとは思いませんでした。

 

まとめ

『竹簡孫子研究』は、単なる古典解釈本ではありません。

それは、現代を生きる私たちが「どのように動き、どう生きるか」を問う、実用的な哲学書でもあります。

 

・勝ち方を選びたい人

・リーダーとして人を導く立場の人

・混沌とした社会の中で、ブレずに判断したい人

 

 そんな方にこそ、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

 

もくじ

はじめに 本書の位置付けについて

第1章 孫子の読み方・学び方

第2章 陰陽で読む孫子

第3章 竹簡孫子 全文と解説

第4章 孫子の教えを応用する

終わりに

参考図書

竹簡孫子研究 戦いの原理は、陽で陰を撃つ

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商品紹介

B5版 268ページ 横山成人 (著) 「孫子」は単なる兵法書ではない。 それは、自然界の法則と完全に整合する戦いの原理を説いた哲理の書である──。 本書は、「竹簡孫子」を原典とし、従来の注釈や現代の常識的な読み解きから一歩踏み込み、陰陽理論という自然法則の視点から孫子を再解釈したのです。 「形」「勢」「虚実」などの章句が持…

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