第4回:歩けば健康…じゃない!? やってはいけない歩行の落とし穴

第4回:歩けば健康…じゃない!? やってはいけない歩行の落とし穴

 

健康のために歩いているのに、なぜか足が痛い、疲れが取れない…
それ、歩き方や姿勢に原因があるかもしれません。

毎日無理なく続けるために、今日から見直せる“体に優しい歩き方”を解説します。

 

その歩き方、本当に合っていますか?

歩きすぎによるオーバーワークのリスク

「歩けば健康になる」と信じて、頑張ってたくさん歩いていませんか?
もちろん、運動不足の人にとって“歩く習慣”はとても大切ですが、急に距離を延ばしたり、1日1万歩を無理に目指すと、体への負担がかえって増えてしまうこともあります。

特に膝や足首、股関節などに痛みを感じ始めたら、それはオーバーワークのサインかもしれません。
“量”より“質”が大事、という視点で見直すことも必要です。

「なんとなく歩く」ことの落とし穴

スマホを見ながら、考えごとをしながら、ただ歩いているだけ。
その歩き方、本当に体のためになっているでしょうか?

姿勢が崩れたまま歩いていると、体の一部に負荷がかかりすぎて、痛みや疲労の原因になることがあります。
「なんとなく歩く」習慣は、良かれと思っていた健康行動を、逆にマイナスに変えてしまう可能性もあるのです。

「自己流」が体を壊すこともある

多くの人は、歩き方を誰かから習ったことがないと思います。
でも、その“自己流の歩き方”が、知らず知らずのうちに足腰に負担をかけたり、姿勢を崩す原因になっていることも。

ウォーキングは自由で気軽な運動ですが、だからこそ基本を見直すことが大切です。

 

間違った姿勢・クセが引き起こす不調

猫背・反り腰・ガニ股に注意

姿勢の乱れは、体の使い方に大きく影響します。
たとえば「猫背」のまま歩けば、肺が圧迫されて呼吸が浅くなり、疲れやすくなります。
「反り腰」は腰に余分な負担をかけ、「ガニ股」は膝関節へのストレスを増やします。

いずれも、“歩けば歩くほど疲れる身体”になってしまう要因です。

膝や腰が痛くなるのは“足の着地”のせいかも

歩くとき、つま先やかかとから着地していませんか?
正しくは「足裏全体を地面にゆっくりつけていく」のが基本です。

つま先歩きや、ドスドスと足音が大きい歩き方は、膝や腰に衝撃を与え、痛みの原因になります。それには膝をあげない(腿を使わない)、後ろ足を蹴らない(ふくらはぎ)を使ってしまいます。

筋肉を使わない。骨と重力を利用すると全く力を使わないので、楽にずっと歩けます。

 

 

腕の振り方・目線の高さにもひと工夫を

意外と忘れられがちですが、「腕の振り方」や「目線の高さ」も、正しい歩行には欠かせません。

肩甲骨と胸骨を切り離してください。骨盤を動かすんです。

腕は自然に振ることで、肩甲骨まわりの筋肉が動き、姿勢を支える筋肉にも刺激が入ります。
また、目線は下を向きすぎず、5~10メートル先を見ることで、首や肩の緊張を防ぐことができます。

 

正しい歩き方の基本をおさらいしよう

理想の姿勢は「頭のてっぺんから糸で吊られているように」

良い姿勢を保つには、「頭の上から糸で引っ張られているようなイメージ」が役立ちます。
背筋を自然に伸ばし、肩は力を抜いてリラックス。
腰を反らせすぎず、骨盤を軽く立てた状態を意識しましょう。

この姿勢を保つことで、無理のない自然な歩行が可能になります。

着地は「足裏全体で」

一歩踏み出すとき、体を少し前に倒し、足裏全体地面に触れ、左右交互に足を前に出していきます。

歩きます。
最後はつま先で軽く地面を押し出すイメージです。
この動きがスムーズにできると、足の負担を最小限に抑えながら、推進力を得られます。

1日何歩?何分?年齢別・目的別の目安

「1日1万歩」という目安は有名ですが、必ずしも万人に合うわけではありません。

あれは、歩数計を売るためのネーミングで1万歩が歩いたらいいとしてフレーズにしてネーミングしたためにしたものです。

  • 健康維持:5,000〜7,000歩
  • ダイエット目的:8,000〜10,000歩
  • 高齢者や初心者:3,000歩からスタートでOK

時間にすると、1日20~30分程度を無理なく続けるのが理想です。

 

あなたの“歩行スタイル”を整えるコツ

靴の選び方で、歩きやすさは激変する

靴は、歩行の質を左右する重要なアイテムです。
合わない靴で歩くと、足の裏、膝、腰、すべてに負担がかかります。

理想は、かかとがしっかり固定されていて、足裏にフィットし、クッション性のあるウォーキング用の靴とされています。こういう靴は、踵から踏んでも痛くなしので、楽なことは楽なのですが、人間本来の歩き方はしにくいです。

でも私は、正しい歩き方のためにはあまりお勧めしません。

裸足で歩くのが一番いいのですが、さすが痛いのと周りの眼も気になりますよね。

そこで、足の裏に数ミリのゴムが底のマンサンダルやワラーチと呼ばれる、サンダルを履いて歩くことをお薦めします。

 

疲れたときは「休むこと」も戦略のひとつ

毎日歩くことは理想的ですが、「疲れているのに無理して歩く」と、身体がリカバリーできず、かえって逆効果になることも。
休むこともトレーニングの一環です。
「疲れている日は5分だけ」「天気が悪い日は休む」など、柔軟に取り入れることが長続きのコツです。

歩く前後の簡単ストレッチでケガ予防

歩く前には、股関節、肩甲骨、鎖骨、腰、アキレス腱や太ももの裏など、関節を緩め、足まわりをゆっくり伸ばすストレッチを。
 歩いた後には、足首・股関節・腰まわりをゆるめる動作で、疲れや緊張をリセットしましょう。
たった3分でも、ストレッチを取り入れることでケガや慢性的な不調の予防につながります。

 

 

歩くことは、誰もが気軽にできる健康法です。
でも、“正しい姿勢”や“適度な量”を意識せずに続けていると、かえって身体に負担がかかることもあるのです。

大切なのは、「頑張りすぎず、自分に合った歩き方を見つける」こと。

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