第2回:歩くだけで、心が整う──「歩く瞑想」をはじめよう

第2回:歩くだけで、心が整う──「歩く瞑想」をはじめよう

 

疲れているのに、頭の中はずっとざわざわしている。

そんなとき、ただ“歩くだけ”で心がすっと整う感覚を味わったことはありませんか?

私は歩いている時に。アイデアが出たり、ひらめきが起きたりすることが結構あります。

まら、30Km以上歩くときには、毎回何十分間か、ゾーンというか瞑想状態になることがあります。何も考えていないのです。

今回は、誰でもできるシンプルな心のリセット法、「歩く瞑想」の魅力をご紹介します。

 

なぜ「歩くだけ」で心が整うのか?

脳が“歩行”で静かになるメカニズム

歩くという行為は、意識しなくてもできるシンプルな動作ですが、脳にとっては大きな効果があります。
リズミカルに左右の足を交互に動かすことで、脳の「思考を司る部分」がゆるやかに落ち着き、雑念が自然と静まっていくのです。

実際、歩行中は脳波がα波(リラックス状態)に近づくといわれています。
これにより、頭の中が整理され、心も整っていく感覚が生まれます。

感情の波と歩行リズムのリンク

人は不安やイライラがあるとき、呼吸が浅くなり、姿勢も崩れがちになります。
でも、歩くことで呼吸が自然と深くなり、姿勢が整い、体内リズムが“穏やかさ”に同調していきます。
歩行のリズムと感情の波がリンクすることで、心が静まりやすくなるのです。

昔から歩いていた偉人たちの“静かな時間”

哲学者のカントは毎日決まった時間に同じ道を散歩していたことで有名です。
また、禅僧たちは「経行(きんひん)」という“歩く瞑想”を修行の一環として取り入れています。
歩くことは、考えすぎを手放し、静かな時間に身を置くための、古くて新しい方法なのです。

潜在意識と顕在意識をとつなぐ?

本当の瞑想やヨガは、潜在意識と顕在意識とつないだり、右脳と左脳を繋いだりします。なんちゃんて瞑想やなんちゃってヨガは形だけ真似すれば簡単ですが、本格的になると難しい。
しかし、内山式で歩くことで、結果的に、右脳と左脳をつなぐ効果がったり、潜在意識と顕在意識とつなぐ効果があります。
だから、歩く瞑想、歩くヨガになるのです。

「歩く瞑想」って、どうやるの?

基本のやり方:呼吸・視線・歩幅に意識を向ける

やり方はとてもシンプルです。
1歩1歩、足裏の感覚や呼吸、歩幅に意識を向けるだけ。
「よし、今ここを歩いているんだ」と気づきながら、周囲の音や空気の感触に耳をすませてみてください。

ポイントは「考えすぎないこと」。思考が浮かんでも追いかけず、ただ歩きに戻る。それで十分です。

 

特別な場所はいらない——どこでもできる静かな瞑想

瞑想と聞くと、座って目を閉じるイメージが強いかもしれませんが、「歩く瞑想」は移動中や日常の中で取り入れられるのが魅力です。
駅までの道、公園の散歩、スーパーへの買い物途中…それぞれの場面が“瞑想の時間”に変わります。ただ私の場合は、{歩く目的は歩くこと}にしないと瞑想状態にはなりません。どこかに行って何かをする目的があると、どうしてもそのことに意識がいってしまうのです。

 

 

歩くときに「考えすぎてしまう」人へのコツ

「歩いているうちに、つい頭の中で会話が始まってしまう…」
そんな人は、数を数える・足の感覚を実況するなど、具体的なフォーカスを持つのがおすすめです。

たとえば「1、2、1、2」とリズムを数える、「今、右足の裏が地面についた」「ひんやりした空気が頬を通る」と実況することで、今ここ”に意識を戻しやすくなります。

 

日常に取り入れる、私流の「歩く瞑想」

通勤・散歩・買い物も“瞑想時間”に変えられる

日常の中には、“無意識に歩いている時間”がたくさんあります。
そこに少しだけ意識を添えて、「今日は歩きながら、自分の呼吸を感じてみよう」と決めるだけで、ただの移動が癒しの時間”に変わります。

忙しい人のための「3分歩行瞑想」メソッド

「時間がなくてムリ!」という方におすすめなのが、3分間だけ歩きながら呼吸に集中する方法です。
歩数でいえば約300〜400歩。「吸って、吐いて、1歩、2歩」と呼吸と歩行を合わせるだけで、頭がすっきりするのを感じるはずです。

雨の日や疲れているときの“歩かない瞑想”もOK

もし歩けない日があっても大丈夫。立ったまま、足裏の重さを感じたり、室内で数歩歩くだけでも効果はあります。歩けない日には、「歩こうとしていた自分を、そっと認める」ことも瞑想のひとつです。

 

 

「歩く瞑想」がもたらす3つの変化

① 頭がすっきりする(認知疲労の回復)

現代人の多くは、情報過多による“認知疲労”にさらされています。
歩く瞑想を行うことで、脳の情報処理が一時的にリセットされ、思考が整理されやすくなります。
「ぐるぐる考えていたことが、どうでもよくなる」感覚が得られるかもしれません。

② 気分が安定する(セロトニン分泌とストレス低減)

歩行によって分泌される“幸せホルモン”セロトニンには、気分の安定やストレス軽減の効果があります。
 朝や昼間の自然光の中で歩くと、その効果はさらに高まります。

③ 自分とつながる感覚が生まれる(自己観察)

「いま自分は、どんな呼吸をしているのか?」「足は重い?軽い?」
そうしたささやかな観察の積み重ねが、自分を大切にする感覚”につながっていきます。
歩きながら、自分と静かに向き合える時間は、思っている以上に尊いものです。

 

まとめ──歩くことは、今ここに立ち返る方法

歩くことは、単なる移動でも運動でもありません。
それは、「いま、ここにいる自分」に立ち返るための、静かなツールです。

わざわざ時間を取らなくても、スマホをポケットにしまって、ただ歩くだけでいい。
ほんの3分間、足音と呼吸に耳を澄ませるだけで、日常のざわめきの中に“静けさ”が戻ってきます。

今日の帰り道、ちょっとだけ、歩く時間を「自分の時間」にしてみませんか?

 

 

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