第4回:成功するプロジェクトの共通点と失敗するパターン
第4回:成功するプロジェクトの共通点と失敗するパターン
はじめに―クラウドファンディングの成功率はどのくらい?
クラウドファンディングのプロジェクトはすべてが成功するわけではありません。成功率は平均30〜40%程度とされており、事前の準備と戦略が成功のカギを握ります。
では、成功するプロジェクトの共通点とは何か? 逆に、失敗するプロジェクトの特徴は?
今回は、出版クラウドファンディングを成功させるための重要ポイントと、やってはいけない失敗例を紹介します。
◆ 成功するプロジェクトの共通点
成功しているプロジェクトには、いくつかの共通点があります。これらの要素を押さえることで、目標達成率が飛躍的に向上します。
- 明確なコンセプトとターゲット設定
◆ 「誰のための、どんな本なのか?」を明確にする
クラウドファンディングでは、支援者が共感できるストーリーや価値が必要です。ただ「本を作りたい」だけでは支援を集めにくく、ターゲットが明確でないと関心を持ってもらえません。
■ 成功するプロジェクトのポイント
- 「この本は○○のために作る!」と明確に伝える
- なぜこの本が必要なのか?(社会的意義・独自性)
- ターゲット層に刺さるメッセージを用意する
◆ 良い例:「○○の専門知識を、一般の人にもわかりやすく伝える本!」
◆ 悪い例:「とりあえず本を出したいので資金を集めます」
- 目標金額とリターン設計が適切
◆ 「高すぎる目標額」は支援者の心理的ハードルを上げる
クラウドファンディングでは、目標金額の設定が非常に重要です。高すぎる目標金額は支援者のハードルを上げ、達成しにくくなります。
■ 成功する目標金額のポイント
- 印刷費・編集費・手数料を計算し、適正な額に設定する
- 段階的なゴールを設定する(ストレッチゴール戦略)
例:最低50万円 → 追加で100万円目標 → 150万円達成なら特典追加!
■ リターン(特典)の設計も重要!
- 低価格リターン(1,000円〜3,000円)で多くの支援を集める
- 高額リターン(10,000円〜50,000円)は限定特典をつける
■ 人気のリターン例
- サイン入り書籍(特典付き)
- 支援者の名前を巻末に掲載
- 著者とのオンラインミーティング参加券
- 事前準備がしっかりしている(スタートダッシュが重要)
◆ クラウドファンディングは、最初の3日間が勝負!
開始直後に支援がゼロの状態が続くと、他の人も支援しにくくなるため、最初の3日間で目標額の30〜50%を達成することが理想です。
■ 成功するための事前準備
- 開始前にSNSやメールリストで支援者候補を集める
- 開始直後に知人・ファンに支援を依頼する
- 初日で20〜30%達成することで勢いをつける
◆ 成功したプロジェクトの特徴
「開始2日目で目標の40%達成!その後、拡散が広がり追加支援が続いた」
◆ 失敗したプロジェクトの特徴
「開始3日間で支援ゼロ…その後も伸びずに終了」
- ストーリー性のあるプロジェクトページ(共感を得る)
◆ 「ただの告知」ではなく、「応援したくなるストーリー」が重要
クラウドファンディングでは、プロジェクトページの文章や画像が支援者の意思決定に直結します。
■ 成功するページの要素
- なぜこの本を作るのか?(背景・想い)
- 支援することでどんな未来が生まれるのか?
- 画像や動画を活用して、視覚的に魅力を伝える
◆ 良い例:「この本を通じて、○○な人たちを応援したい!」
◆ 悪い例:「とりあえず本を作りたいので、お金をください」
◆ 失敗するプロジェクトの典型パターン
■ 1. 目標金額が高すぎる(適正価格を無視)
- 「1000万円目標!」 → 支援者が遠ざかる
- まずは達成可能な額を設定し、追加ゴールを設けるのがコツ
■ 2. プロモーション不足(開始前の準備不足)
- 「クラファン開始したけど、誰にも知らせてない」 → 当然、支援は集まらない
- 開始前からSNS・ブログ・メディアで告知をしておくことが必須!
■ 3. リターン(特典)が魅力的でない
- 「本1冊(3000円)だけ」 → 通常販売と変わらず、支援のメリットがない
- 「限定版」「特典付き」など、クラウドファンディングならではの特典をつける
■ 4. 進捗報告をしない(放置状態)
- 「プロジェクト開始後、更新なし」 → 支援者の不安を招く
- 「○○万円達成しました!」「支援者○○人突破!」とこまめに報告し、盛り上げる
■ 5. 達成後の対応が雑(支援者が不満を持つ)
■ 「リターン発送が遅れ、クレーム多数」 → 次回以降のプロジェクトに影響
■ 発送スケジュールを事前に計画し、進捗を定期報告することが重要
◆ まとめ|成功する出版クラウドファンディングのポイント
- 成功のカギは「事前準備」と「共感を得るストーリー」
■ 成功するポイント
- ターゲットが明確なコンセプト設計
- 現実的な目標金額&魅力的なリターン設計
- 事前に支援者を集め、スタートダッシュを成功させる
- 共感を呼ぶストーリーとビジュアルで魅力を伝える
- 定期的な進捗報告と、支援者とのコミュニケーション
◎ 次回:「出版クラウドファンディングの計画とスケジュール管理」
次回は、クラウドファンディングの成功に向けた「計画とスケジュール管理」について詳しく解説していきます!
※万代宝書房は、着手金なしのクラファンプロデューサーと提携しています。
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