第3回:クラウドファンディングの種類と選び方
第3回:クラウドファンディングの種類と選び方
はじめに―クラウドファンディングの選択が成功を左右する
クラウドファンディングを成功させるためには、自分のプロジェクトに合ったプラットフォームを選ぶことが重要です。出版向けのクラウドファンディングにはいくつかの選択肢があり、それぞれ特徴や支援者層が異なります。
今回は、クラウドファンディングの種類ごとの特徴と、出版に適したプラットフォームの選び方を解説します。
◆ クラウドファンディングの主要な種類
クラウドファンディングには、主に4種類の方式があります。それぞれの仕組みと、出版プロジェクトに適した活用方法を見ていきましょう。
- 購入型クラウドファンディング(リターン型)
概要
支援者がプロジェクト成功後にリターン(特典)を受け取ることを前提に資金提供する方式。
◆ 特徴
- 書籍の「先行予約販売」として活用できる
- リターンの内容を工夫すれば、通常の書店販売では実現しない形の提供が可能
- 「All or Nothing」(目標額未達成時は資金を受け取れない)と「All In」(未達成でも資金を受け取れる)方式がある
◆ 出版向けの活用方法
- 書籍の限定版・サイン本をリターンとして提供
- 追加特典(オンラインイベント招待・読者との交流会)をセットにする
◆ 主なプラットフォーム
- CAMPFIRE(国内最大手、多ジャンル対応)
- Makuake(ビジネス・商品開発向け)
- Kickstarter(海外向けプロジェクトに強い)
- 寄付型クラウドファンディング
◆ 概要
支援者がリターンを求めずに寄付を行う方式。
◆ 特徴
- 公益性のあるプロジェクトに向いている
- 教育・社会貢献系の出版に適している
- 目標額に達しなくても資金を受け取れることが多い
◆ 出版向けの活用方法
- 教育・福祉・地域活性化をテーマにした書籍の出版
- 学術書や研究成果の書籍化
- 社会的意義のある書籍の普及活動
◆ 主なプラットフォーム
- READYFOR(日本初のクラウドファンディング、寄付型も強い)
- GoodMorning(CAMPFIREの寄付型プラットフォーム)
- 投資型クラウドファンディング
◆ 概要
支援者(投資家)がプロジェクトに出資し、成功後に収益の一部を受け取る方式。
◆ 特徴
- 法人向けの大規模出版プロジェクトに適している
- 書籍販売の収益を投資家と分配するモデル
- 企業の出版プロジェクトや新規レーベル立ち上げ向け
◆ 出版向けの活用方法
- 出版社が新しいジャンルの書籍をシリーズ展開する際に活用
- 著者が自社ブランドとして書籍販売をビジネスモデル化する場合
◆ 主なプラットフォーム
- FUNDINNO(日本の投資型クラウドファンディング)
- Crowd Credit(海外投資案件も多い)
- 融資型クラウドファンディング
◆ 概要
個人や企業が融資を受ける形で資金を調達し、支援者には利息をつけて返済する方式。
◆ 特徴
- 返済が必要なため、事業収益が見込める場合に適している
- 出版社の資金調達手段として活用可能
- 企業向けの長期プロジェクトに適した方式
◆ 出版向けの活用方法
- 出版社が新しいレーベルを立ち上げる際の資金調達
- 大規模な販促キャンペーンを計画するための資金確保
◆ 主なプラットフォーム
- maneo(日本最大手の融資型プラットフォーム)
- クラウドバンク(投資型・融資型両方のサービスあり)
◆ 出版に適したクラウドファンディングプラットフォームの選び方
クラウドファンディングを成功させるには、ターゲットやプロジェクトの性質に合ったプラットフォームを選ぶことが重要です。
- 読者層に合ったプラットフォームを選ぶ
例えば、日本国内向けの書籍ならCAMPFIREやMakuakeが適しており、海外向けならKickstarterが強いです。
- 目標金額とリスクを考慮する
- 少額資金で出版を目指す場合 → 購入型(CAMPFIRE / READYFOR)
- 大規模プロジェクトで投資を受けたい場合 → 投資型(FUNDINNO)
- 手数料とサポート体制を確認する
プラットフォームごとに手数料(5〜20%)が異なるため、手数料を考慮した目標金額の設定が必要です。
例:100万円の目標額を達成した場合
CAMPFIRE(手数料17%)→ 受取額 83万円
Makuake(手数料20%)→ 受取額 80万円
◆ まとめ|あなたに合ったクラウドファンディングを選ぼう
出版クラウドファンディングにおすすめの選び方
■ 初心者には「購入型(CAMPFIRE / Makuake)」が最もおすすめ!
■ 社会的意義のある書籍なら「寄付型(READYFOR)」が有効!
◎次回:「成功するプロジェクトの共通点と失敗するパターン」
次回は、成功するプロジェクトのポイントと失敗するパターンについて詳しく解説していきます!
※万代宝書房は、着手金なしのクラファンプロデューサーと提携しています。
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