つりひろの男の料理【4、俺の生野菜】

4、俺の生野菜

 

 専門家ではない私がつくる「つりひろの男の料理」の特質の一つには豪快、簡潔であろう。

豪快なところが専門家や女性の料理と違うのである。では、料理における豪快さとは何か、ということになる。豪快と豪華はニュアンスが違う。簡単に言うと、お金のかかり方が違うのである。豪華になるとテーブル一杯に高級食材が並ぶとか、刺身の舟盛りをテーブルの中心に置くとか、金がかかる。高級料理が、しかも、テーブル一杯に並んでいなければ、とても豪華とはいえない。

 しかし、豪快さは、必ずしも質や量の問題ではない。一品料理でも十分に豪快になり得る。フィリピンで見た子豚の丸焼きとか、中国で見た北京ダック一羽とか、日本で見た大鯛の塩焼きとか、材料が丸ごと、しかもそれが大きければ大きいほど豪快にうつる。豪快さとは、少々見栄えが悪くてもいいのだ。繊細できれいな料理は女性に任せておけばいい。粗野で、荒々しいのが、豪快さに通ずる道である。野菜なら皮付きを丸ごとにするとか、キャベツなら手でむしり切るとか、方法はいくらでもある。

 あるとき、時間がないのと素材の味を楽しんでもらいたくて、作ったサラダが好評だった。サラダというと、それぞれイメージを持つので、名前を変えた。「生野菜」だ。さらには、文句を言わせないために。「俺の」をつけて、「俺の生野菜」にした。「俺の生野菜」だから、俺の食べたいように出したのだという、自己主張であり、言い訳である。

 これは、単にスーパーや八百屋に行って、値段の手ごろな季節の野菜を買ってきて、皮をむかずに大きめに切って、大きな皿に並べるという料理だ。

 ちょっと、こだわるところでは、スーパーや八百屋で買っていた野菜を「ホタテ洗いたい放題」で洗うことだ。ちなみに私は「うつみんのセレクトショップ♪」で購入している(一九七七円税込、二〇一九年二月現在)。ホタテ洗いたい放題はホタテの貝殻から作られる粉で、科学的には水酸化カルシウム製剤。一袋で二〇〇~二五〇回使えるのでとてもお得である。粉をほんの少し水に溶かして野菜をだいたい一五~三〇分ほどつけ込んでおく。そうすると油とか汚れとかがいろいろ浮いてくる。正直、想像を超えた汚さになる。食べる気が失せるというか、逆に、今までこんなに農薬や油を摂っていたのか?と愕然とする。まあ、日本の野菜は農薬まみれだということを否応なく感じ取ってしまう。

野菜はもちろん無農薬野菜が良いのだが、常に手に入らないし、費用もかかる。そこで、無農薬野菜とホタテ洗いたい放題をうまく使い分けて買うようにしている。この辺も、当日「俺の生野菜」の能書きに使える。

 ということで、何を買うかというと、何でもいいのだか、大根、人参、きゅうり、キャベツ、ピーマン、パプリカ、セロリなのである。気が向けば、ブロッコリーなども買って、これは茹でて出す。茹でたら、生野菜ではないぞ、という人はほとんどいない。基本、皮はむかず、そのまま切る。切り方は、とにかく、ザクザクと大きめに切る。スティックにするもよし。気を付けるのは、一応、色合いを考えて皿に盛りつけることだ。

 調味料は、塩、胡椒、オリーブオイル、アマニ油、自家製味噌あたりを出しておいて、お好みで食べてもらう。パーティなどでは、中にドレッシングを作ってあげようか? などという奇特な女性がいる場合がある。その場合は、喜んでお願いする。これで「俺の生野菜」ファンが増えるのだ。「ドレッシングのお蔭でおいしくなったのだ」等と言ってもらえたら、しめたものである。「その通りです」と笑顔で答え、「次回もお願いします」というと、完璧である。

 

 

 

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