つりひろの男の料理【2、俺のナポリタン】
2、俺のナポリタン
子どもの頃、学校の先生を巻き込む二大論争があった。「トマトは野菜か、果物か?」と運動会や遠足で「バナナはおやつか?弁当のおかずか?」論争である。
アメリカでも、「トマトは野菜か果物か」で裁判になったそうである。どうして、最高裁までも上告して争われたかというと、「輸入野菜には10%の税が課せられるが果物は無税である」という法律のためのようである。
昨今では、品種改良で「フルーツトマト」なるものができてきた。トマトを極端に水分を控えて成熟させると、糖度が高まって甘味が強くなり、フルーツのように丸ごと食べられるようになった。
「果物は甘くて生で食べられるもの」 という定義をすると、「フルーツトマト」は「果物」である。
しかし、正式には、「木(果樹)になるものが果物で、その実がなる木が一年ものか?そうじゃないか?」で分けるらしい。トマトはどうかというと、一年ごとに苗を植えて育てて収穫する。だから、『野菜』となる。その理論で言うと、スイカやメロンもイチゴも実は野菜の分類になる。
スーパーや八百屋さんで トマトは、どこの売り場で売っているか? スイカ、メロン、イチゴとは違うようである。つまり、スーパーの売り場と学問はズレているのである。ちなみに、大辞林(第三版)の解説によると、【果菜類】(かさいるい)というのがあり、「果実を食用とする野菜。ナス・キュウリ・トマトなど」とある。
これで、私の子どもの時からの疑問「トマトは野菜か果物か」という論争には、終止符が打たれたことにしよう。
さて、昔から、街の食堂や喫茶店で食べたくなるメニューの一つが、スパゲティのナポリタンである。ケチャップ味で、粉チーズをたっぷりかけて、コンソメスープあたりがついてくる。タバスコもかけると、辛味と酸味が加わり、さらにうまくなる。これを食べると、懐かしさすら覚える。食べ終わった後、口を拭かないと、唇にケチャップがほんのりついていることは注意したい。
実は私はナポリタンに目覚めたのは、大学生時代である。私の部屋はよく宴会部屋になっていた。途中、何か腹に入れたいという欲求がみんなに出てきたときに、手っ取り早く、炭水化物で、満腹感を出させる一品であった。
そんなこんなで、回数を重ねるごとに微妙に工夫をしていくと、いつからか「つりのナポリタンはうまい」と言われるようになった。自分で言うのも何だが、本当にけっこううまいと思う。
自分では当たり前になっているが、他人とどこが違うか、コツは三つあると分かった。ケチャップを入れるタイミング、最後に入れるワインと、マインドだ。
マインドからいうと、「俺の作るナポリタンはうまいのだ」と信じ切って調理することだ。まずは、冷蔵庫を見て、肉類や野菜で使えそうなものを出して、人数を考えて切っていく。肉類は、豚肉、鶏肉、ソーセージ、ベーコンなんでもいい。牛肉が冷蔵庫にあることはないが、経験上、お勧めできない。野菜類は、玉ねぎ、ピーマン、きのこ類、ほうれん草、ニンジンなど、何でもよい。色を考えると、白、緑、赤があると見栄えがいい。切ったところから、同じボールや皿に置いておく。順番は考えていない。トマトがあればさらにうまくなる。トマトは、一センチ弱の角切りにして、これは別皿に分けて置く。ニンニクや生姜もスライスやみじん切りにしておく。
麺を茹ではじめる。同じ鍋に生卵を入れて、ゆで卵をつくる。フライパンに、オリーブ油を入れて、ニンニクや生姜も炒めはじめる。香りがしはじめたら、先ほどの野菜類と肉類を入れ、炒め、頃あいをみて、塩と胡椒を適量入れる。適量とはどれくらいかと聞く人がいるが、適量なのだ。塩は、天日海塩、胡椒は粗挽きである。火が通ると、そこに先程分けて置いたトマトを入れてさらに炒める。
トマトに火が通り、そこにケチャップを入れると、少ししてケチャップが焦げたような臭いというか煮詰まった香りがしてくる。ケチャップは多めに入れ、麺が入った時にちょうど良い濃さになるような適当な量を入れる。この見積もりには慣れがいるかもしれない。
適度に焦げたような臭いがしたころには、麺が茹であがっているはずだ。そこにお湯を切った麺を入れて、混ぜ合わせる。炒めるというよりは、ケチャップ付きの肉と野菜を混ぜ合わせる感じだ。
混ぜたとき、ケチャップが足りないときがある。そのときは、麺を片側に寄せ、ケチャップをフライパンの上に直接出して、少し焦がすのだ。焦げた段階で、麺を混ぜなおすのだ。
仕上げに、赤ワインを少し入れて、さらに混ぜる。香りがパァッーと拡がり、鼻に美味しさを感じるはずだ。赤ワインがなければ、白ワインでもいい。それもないなら、ウィスキーや梅酒だ。ちなみに、焼酎とビールは試したことがない。
火を止め、皿にもり、ゆで卵を乗せると完成だ。ゆで卵は、固ゆででも半熟でも構わない。お好みで、粉チーズ、溶けるチーズ、タバスコ、オリーブオイルでも、何でも掛けたらよい。塩、胡椒が足りないときは追加したらいい。
ところで、バナナの件はどうなったのか?と思う方もいるかもしれない。この件は、別の料理で書くことにしよう。
関連情報
幸せの知恵の宝庫 〜世の中に出ていない本質的な情報をお届け〜|万代宝書房
【万代宝書房】では哲学、思想、健康、刑事司法など、他では聞けない著者だけが知る本質や真実を伝える本を取り揃えております。著者の魂の叫びを時間と空間を超え、受け取りませんか?誰からの情報を受け取り、誰と繋がりたいですか?広く浅く読者に媚を売るような書籍を万代宝書房は出しません。少人数でも深く真実・核心をしたい方に著者の思いを伝えたいのです。万代の宝である、著者の持つ知恵を手に入れてください。
屋号 | 万代宝書房 |
---|---|
住所 |
〒176-0002 東京都練馬区桜台1-6-9 渡辺ビル102 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
定休日 | 不定休 |
代表者名 | 釣部 人裕 |
info@bandaihoshobo.com |