商業出版と自費出版の違いは?それぞれの特徴と違いを詳しく解説

商業出版と自費出版

 

本を出版する方法として、商業出版と自費出版があります。商業出版と自費出版には、費用負担の他にも制作過程や宣伝方法などに違いがあります。そのため、出版を考えている方にとってはどちらがいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。

 

そこで本記事では、商業出版と自費出版の違いについてくわしく解説します。本の出版を考えている方は、それぞれの違いを理解し、自分に最適な方法で出版を目指してください。

この記事を読むための時間:3分

商業出版とは

商業出版は、出版社主導で本の企画から制作、販売までを進めるものです。出版に関わる費用は全て出版社が負担します。商業出版の目的は、売れる本を作ることなので、誰でも出版社から本を出せるわけではありません。本のテーマや内容などから、出版社が売れると判断した場合に出版が決まるのです。また、商業出版では著者の費用負担はなく、印税を受け取ることができます。

自費出版とは

自費出版は、自分で費用を負担して本を出版することです。本の制作費はもちろんのこと、印刷や販売、流通に関わる費用の全てが自己負担になります。そのため、費用の用意ができれば誰でも本を出版することが可能です。編集者や出版社の意向を伺うこともなく、自分の好きな内容で好きな本を作ることができます。

商業出版と自費出版の違い

商業出版と自費出版には、主に次の5つの違いがあります。

 

  • かかる費用
  • 出版の目的
  • 宣伝の方法
  • 本の制作過程
  • 印税

かかる費用

前述したとおり、商業出版と自費出版ではかかる費用が異なります。商業出版は出版社が全て費用を負担しますが、自費出版は全て自己負担です。自費出版する場合は、発行部数やページ数、本の仕様などによって異なりますが、おおよそ200万円程度かかります。宣伝や流通なども依頼したいとなると、さらに費用がかかるでしょう。

出版の目的

商業出版の目的は、売れる本を作ることです。そのため、出版社では世の中の需要を的確にリサーチしてから、本のテーマや著者を選定して制作し、宣伝や流通にも力を入れます。一方で、自費出版の目的は、著者が書きたい本を書いて出版することです。中にはベストセラーを目指す著者もいますが、多くの人は売れることよりも自分の思いを表現することに重きを置いています。

宣伝の方法

出版の目的が異なるので、宣伝の方法もそれぞれ違いがあります。商業出版の場合は、新聞や雑誌広告で本を宣伝したり、報道機関にプレスリリースを送付したりと販促をに力を入れます。これらの宣伝方法には費用がかかるため、自費出版ではなかなかできません。そのため、自費出版の宣伝方法は、個人のSNSやブログなどで費用をかけずに行っている場合が多いです。

本の制作過程

本の制作は、自費出版よりも商業出版の方が工程が多く期間も長くなります以下は、それぞれで本を出版するまでの制作の流れです。

 

商業出版 自費出版
  1. 出版企画書の作成
  2. 出版社への売り込み
  3. 編集会議での決定
  4. 原稿執筆(編集者との打合せ)
  5. 編集作業(出版社主導)
  6. 校正作業(出版社主導)
  7. 印刷・製本
  8. 流通・販売・宣伝
  1. 原稿執筆
  2. 印刷・製本の見積もり依頼
  3. 見積もりを確認して契約
  4. 編集作業(著者主導)
  5. 校正作業(著者主導)
  6. 印刷・製本・納品
  7. 流通・販売・宣伝(著者主導もしくは依頼する)

 

商業出版は、出版企画書を作成し、編集会議に通すことから始まります。編集会議に通らないと出版できないので、企画書を書いたからといって必ず出版できるわけではありません。そのため、編集者の目に留まる出版企画書を作ることが重要です。

 

出版が決まり原稿を執筆する段階に進むと、編集者と打合せをしながら本の制作を進めます。編集や校正などの作業は出版社主導で行われ、著者の思いが反映されない場合も多いです。本の制作には多くの人が関わってくるため、本が出版されるまでの期間は、早くて半年長くて1年以上かかります。

 

一方で、自費出版は基本的に著者が制作を進めていきます。自費出版でも編集者はつきますが、あくまで著者のサポートという形です。また、流通や販売、宣伝に関しては、出版社によってオプションで承っているところもあります。自費出版の製作期間は、早くて1ヶ月長くても半年程度です。

印税

商業出版の場合は、出版社から著者に対して印税が支払われます。一般的には「定価×印税率×部数」で計算され、印税率は5~10%程度です。一方で、自費出版には印税がなく、代わりに「売上還付金」などという名目でお金が支払われます売上還付金の計算方法は「定価×売上部数-経費」です。出版社や契約内容によって異なりますが、売上還付金は売上の20~50%程度です。

商業出版のメリット・デメリット

商業出版のメリットとデメリットは以下のとおりです。

 

メリット デメリット
  • 費用負担がない
  • 編集者がついてアドバイスしてもらえる
  • 多くの書店に並べられる
  • 宣伝してもらえる
  • 印税が入る
  • 自分の思い通りの本にならない可能性がある
  • 出版までに時間がかかる

 

大きなメリットは費用負担がないという点です。多くの書店に並べられ宣伝もしてもらえるため、売れる本を作りたいという方には商業出版が向いているでしょう。

自費出版のメリット・デメリット

自費出版のメリットとデメリットは以下のとおりです。

 

メリット デメリット
  • 自分の思い通りの本が作れる
  • 早く出版できる
  • 費用がかかる
  • 書店に並ばない
  • 自分で宣伝しなければいけない
  • 本が売れ残った場合は在庫を抱えることになる

 

自費出版の大きなメリットは、自分の思い通りの本を作れるところです。自分の思いを好きなように表現したいという方は、自費出版のほうが満足のいく本となる可能性が高いでしょう。

出版方法の違いを知って適切に選択しましょう

商業出版と自費出版には、かかる費用や制作過程、印税などさまざまな違いがあります。出版する目的によってどちらにするか選択し、準備を進めましょう。

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