◆健康とは何かについて、難しく、そして簡単に考えてみた。
◆健康とは何かについて、難しく、そして簡単に考えてみた。
健康とは何かを科学的に考えると、実はとても難しい問題です。
WHO(世界保健機関)は、「健康とは身体的・精神的・スピリチュアル(霊的)・社会的に充分満足すべき力動的な状態をいい、たんに疾病または障害のないことではない」という定義します。
わかるようで、わからない。
では、 「健康」とは、「それは病気ではないことでしょう!」と答えたら、一体幾人の人が理解できるでしょうか?
ほとんど理解できないのではないでしょうか。
「健康」とは、「病気でないこと」だけではないという考えもありますが、多くの場合、病気(疾病)がないことが重要な要素です。
しかし、「病気」とは何かというのは難問であり、健康と病気との区別は簡単ではありません。
人間ドックなのでの検査による異常値は、それ自体が病気を意味するのではなく、じつは個体差しか意味しないことが明らかであり、正常値が健康だともいえない。だからこそ、基準数値が誰かの都合で都合で変更にもなる。
このように、健康というのは定義そのものがなく、医学的に見ても定説があるわけではありません。
「健康を害しまして・・・」と誰かが口にしたとき、あなたはどのようにそれを受け取ったり、理解したりするのでしょうか?
「病気はない、症状があるだけだ」という人がいますが、それは、「病気というものは、現実には、実体としては存在しない」という意味です。
熱、咳、下痢、食欲不振、高血圧に限らず、一般に病気とされている全てのものは、広い意味で捉えれば、実は全て一種の症状といえます。
心と体のバランスが何らかの要因で崩して場合、その崩し方や個人の体質・生理的能力、心のもち方の違いによって、さまざまな不調が現れます。その不調の現れ方(広義の症状)を、いくつかのパターンに分類して名前をつけたものが、いわゆる「病気」とされているものです。
すなわち、病気というのは、現代医学の決め事で、単なる約束事であり、何かとく特別に、独立した「病気」という実体や存在があるわけではありません。
つまり、健康であろうと、不調であろうと、その時その人の健康状態という一つの存在でしかないのです。
対症療法では、症状は軽減されるかもしれませんが、病気が治ったことにはなりません。私たちが病気だと考えているものは、多くの場合、単なる症状です。
私たちの心と体がバランスを崩したときに現れてくる症状に過ぎないのです。
難しい話はこれくらいにして、健康というのは、わかりやすくいえば、何か?
「快でも不快でもない心身の状態」
ではないでしょうか。
言い換えると、体の特定の部分について意識することなく、日常生活が送れていることです。
たとえば、私たちは普段「腹部の中央に胃がある」ということは意識しないで生活しています。これが健康な状態です。ところが、胃に痛みやもたれを感じたとたん、そこに胃があることを意識せざるを得なくなります。健康でなくなった状態です。
ですから、口の健康というのは、「口を意識することなく日常生活が送れる状態」と考えられます。
人は虫歯になって痛みが生じると、そこに歯があることを意識しなくてはならなくなります。つねにそんなストレスがかかっていては、創造的な活動もできず、質の良い生活も送れなくなってしまいます。
もし、そういう状態に陥ったとしたら、その原因となったストレスを取り除き、なるべくすみやかに、「口を意識しなくてもよい状態」にもっていくのが歯科医療の目的です。
別のいい方をすると、船で例えると、
「揺れていても沈没しないで、回復する状態」かもしれません。
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