◆「児童相談所問題」の“闇”に、なぜここまで踏み込むのか

◆「児童相談所問題」の“闇”に、なぜここまで踏み込むのか

「虐待から子どもを守る。」

この言葉に、反対する人はいないでしょう。

けれど、本当にそれだけで済む話なのか――。

本書『児童相談所問題の闇 ~闇から抜け出るために何をはじめるのか~』は、多くの人が“正義”だと思っている児童相談所の問題に対し、真正面から疑問を投げかける一冊です。

著者・内海聡氏は、薬害・医原病問題を追い続けてきた医師です。

そんな著者ですら、最初に児童相談所問題を知ったとき、「信じることができなかった」と語っています。

実は、私が内海氏と出会ったのは1999年頃でした。

きっかけは、私の知人の子どもが児童相談所に一時保護されたことでした。

しかも、その件について、メディアは「あることないこと」を書き立てていました。

家族は混乱し、周囲も何が真実なのか分からない。

そんな中で相談に行ったのが、内海氏でした。

 

その時、彼は静かにこう言いました。

「幻想ではなく、現実を知る勇気があれば、お話ししますよ」

そして、彼は現実を語り始めました。

それは、私の想像をはるかに超えるものでした。

正直に言えば、最初は簡単には信じられませんでした。

 

しかし、その後、出版や取材を通して、さまざまなケースに触れていく中で、
「これは一部の特殊な話ではない」
と思わされる場面に何度も出会うことになります。

 

本書の第1章タイトルは、非常に挑発的です。

「虐待は増えていない」

多くの人は驚くかもしれません。

しかし著者は、厚生労働省や警察庁の統計データをもとに、

実際に増えているのは「虐待相談件数」であること、
相談件数と虐待認定件数は違うこと、
通報件数を増やす仕組みが制度的につくられてきたことなどを整理しながら論を進めていきます。

特に印象的なのは、児童虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」の存在です。

「虐待かも?」と思ったら通報してください――。

その結果、“相談件数”は増えていく。

しかし、それは本当に「虐待が増えた」ことと同義なのか。

著者はそこに鋭く切り込みます。

本書の核心は、単なる制度批判ではありません。

 

むしろ、

本当に虐待を受けている子どもを救えているのか。
冤罪的な一時保護は存在しないのか。
家族再統合はなぜ難しいのか。
「専門家」と呼ばれる人たちは、本当に専門家なのか。

という、“子どもを守る”とは何かという根本問題です。

 

著者は、児童相談所の現場について、

「強大な権限を持ちながら、実際には専門性が乏しい」

という現実を厳しく指摘します。

このテーマは、非常にセンシティブです。

だからこそ、
「そんなことあるわけない」
「極端だ」
と思う人もいるでしょう。

 

しかし、私は最初に内海氏から話を聞いた時のことを、今でも忘れられません。

あの時、彼は感情的に煽ることはしませんでした。

むしろ淡々と、

「制度」「構造」「現場」「数字」

を語っていました。

 

だからこそ、逆に重かったのです。

この本は、
「信じろ」
という本ではありません。

むしろ、
「一度、自分の頭で考えてみてほしい」
という本です。

 

だからこそ、簡単に読める本ではありません。

けれど、
“子どもを守る”
という言葉を本気で考えるなら、
避けて通れない問いが、この本にはあります。

この本は、読後感の軽い本ではありません。

むしろ、
「この問題を知らなかった自分」
と向き合うことになる本かもしれません。

 

しかし、
“見ないままにしてはいけない問題”
があるのも事実です。

出版には、
「世の中が読みやすいもの」
だけではなく、
「残さなければならないもの」
を世に出す役割がある。

万代宝書房として、本書にはその意味があると考えています。

 

児童相談所の闇~闇から抜け出るために何をはじめるか~

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商品紹介

内海 聡 著 B6版220頁  私が児童相談所の本を書いてからもう10年が経とうとしている。私は「その話」を最初に聞いたとき、信じることができなかった。薬害研究の専門家医、医原病治療の専門家としてこの世界の医学の問題、また社会の不条理に関しては数多く接してきた。そんな私でも「その話」を最初は信じることができなかったことは懐か…

児相問題の深層

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1,870

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