手帳の空白が、私に教えてくれたこと

手帳の空白が、私に教えてくれたこと

手帳のスケジュールが空いていると、

私は以前、落ち着かない気持ちになっていました。

 

ただ、空白といっても、

何もやることがないわけではありません。

人に会う予定や会議がないだけで、

原稿を考えたり、企画を練ったり、

やること自体はいくらでもあります。

 

それでも、

予定が書かれていない一日を見ると、

どこか不安になる自分がいました。

 

振り返ると私は、

「予定が入っていること」そのものを、

安心材料にしてきたのだと思います。

 

人に会い、呼ばれ、動いている。

それが、

自分がまだ社会の中で

役割を持っている証のように感じていました。

 

この感覚は、

漫才師や芸能人が

スケジュールの空白を嫌がる心理と、

とてもよく似ていると思います。

 

仕事がない=呼ばれていない。

呼ばれていない=忘れられている。

そう感じやすい世界にいると、

空白は不安そのものになります。

 

あるとき私は気づきました。

空白とは、

何もない時間ではなく、

人に会う予定がない日

それだけのことなのだと。

やることはある。

 

ただ、

成果が見えにくいだけ。

そして最近、私は意識して

何も考えず、ボーッとする時間を

取るようになりました。

 

以前の私なら、

無駄だと思っていた時間です。

 

けれど、

考えない時間があるからこそ、

次に考えることが生まれる。

 

止まる時間があるからこそ、進む方向が見えてくる。

手帳の空白は、

社会との会議がない時間であり、

自分自身との静かな会議の時間でもあります。

 

予定で埋める人生から、

余白を使う人生へ。

 

手帳の空白が気になるようになったのは、

私が怠けているからではなく、

次のフェーズに入ろうとしている

合図なのかもしれません。

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