◆出版を検討する際のチェックリスト&注意点
◆出版を検討する際のチェックリスト&注意点
先日も、ある方から。出版の相談があった。
ぶっちゃけ、著者に本を出したいという思いを利用されている。
詐欺ではないが、私はうまく利用されたと思った。
そこで、改めて、まとめてみた。
1. 出版形態ごとの特徴と注意点
商業出版(出版社負担型)
特徴:出版社が費用を負担。著者は印税を受け取る。
気をつける点
印税率の確認(紙5〜10%、電子20〜30%が目安)
刷り部数と重版基準(1刷で何部刷るか)
プロモーションの範囲(出版社がどこまで動いてくれるか)
契約期間と権利の帰属(電子・翻訳・二次利用権)
共同出版(費用一部負担型)
特徴:出版社と著者が費用を分担。名目は「リスクシェア」。
気をつける点
著者負担金額の明細(編集費、デザイン費、流通費)
売上見込みの根拠(楽観的に見積もられていないか)
実際の流通網(大手書店に置かれるのか、ネット中心か)
契約後に追加費用が発生しないか
自費出版(著者全額負担型)
特徴:著者が費用を全額負担。自由度が高い。
気をつける点
費用総額(数十万〜数百万まで幅広い)
どこまでサポートされるか(編集・校正・販売は別料金?)
ISBN付与の有無(流通に乗せられるか)
在庫管理の責任(著者に引き取り義務があるか)
2. 契約時に必ず確認すべき項目
印税率:紙と電子で違うケースあり。ネット直販は別体系の場合も。
支払タイミング:半年ごとか年1回か。締め日と支払日を明記。
出版費用:著者負担がある場合は内訳を必ず確認。
在庫処理:売れ残りの処分方法(返品・裁断・著者買取)。
販促・広告:誰がどこまで負担するか。広告掲載費は著者持ちか出版社持ちか。
電子書籍化:紙と同時か、別契約か。
翻訳・映画化権等:二次利用の権利が出版社に移るのか著者に残るのか。
3. 著者が気をつける点
「出版できます!」
→ 商業出版なら選考が厳しく、簡単には通らない。
「売上は伸びます!」
→ 根拠はあるのか
「有名書店に並びます」には裏がある
→ 実際は「注文すれば取り寄せ可能」であり、平積みは販促費やコネクション次第。
「著者購入」
→ 出版社によっては、数百冊を著者が買い取る契約がある。
4. 出版検討時の質問リスト(出版社に確認すべきこと)
この出版形態は「商業出版」か「共同出版」か「自費出版」か?
著者の費用負担は発生しますか?ある場合、金額の内訳は?
刷り部数は? 初版部数と重版の基準は?
書店流通は? 取次経由か、Amazon PODのみか?
広告・プロモーションはどこまで出版社負担か?
印税率と支払い方法は?
電子書籍化は同時か? 別契約か?
契約期間は? 出版権や著作権の帰属は?
5.最後に
出版を検討するときは、
費用負担の有無
印税率と契約条件
流通と販促の実態
追加費用や著者購入の有無
この4つを特に意識してください。
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