「竹簡孫子」と現行孫子は何が違うのか?――出版現場から見えた「原点回帰」の意味
「竹簡孫子」と現行孫子は何が違うのか?――出版現場から見えた「原点回帰」の意味
「孫子の兵法」と聞けば、「戦わずして勝つ」「彼を知り己を知れば百戦殆からず」といった有名なフレーズを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ですが、私たちがふだん接している「孫子」と、近年発掘された「竹簡孫子」は、実はまったく違う思想背景を持っています。
それを教えてくれたのが、本書『竹簡孫子研究 戦いの原理は、陽で陰を撃つ』の著者・横山成人氏でした。
現行孫子は「合理化された兵法書」
編集を進める中で知ったのは、私たちがよく読む孫子――たとえば岩波文庫やビジネス書で紹介されているものは、後世に再構成された兵法書であるということ。
・現在の章構成(計篇・作戦篇など)は後代の編集によるもの
・複数の人物の言葉が混在している可能性
・実践的な軍略に主軸が置かれている
つまり、現行孫子は「実用のために編集された、すぐ役立つ合理的な孫子」だと言えます。
私たち出版社としても、そうした「即効性のある知識」はとても魅力的ですし、多くの読者に歓迎される要素でもあります。
著者・横山氏の解釈が導く「竹簡孫子」の深み
一方、著者の横山成人氏が読み解く「竹簡孫子」は、そうした〔整理された教科書的孫子〕とはまるで異なる姿を見せてくれました。
竹簡孫子は1972年、中国・銀雀山漢墓から出土した竹簡に記されていた古いテキストで、語順や構造そのものが違います。
その中には、現行孫子では語られないような思想、たとえば以下のような視点が散見されます。
・戦いの構造は「陰と陽」「形と勢」といった自然法則に従っている
・勝つこと以上に、「勢を整えた結果として戦わずに済む」ことが重視される
・力で制するのではなく、「調和による勝利」が説かれている
現行孫子では「どう戦うか」が語られても、「なぜそうすべきなのか」まで掘り下げられてはいません。
その背景には、現代的な「成果主義」や「即戦力思考」と通じるものも感じます。
ですが、竹簡孫子はその根底にある〔戦略の原理や自然の摂理に従う思想〕を持っています。
万代宝書房として、なぜこの書を世に出したのか
今回、私たち万代宝書房が本書を刊行した背景には、こうした「本質への問い直し」がありました。
著者の横山氏から、「この竹簡孫子は、ビジネスや政治、教育、そして人間関係においても“道を外さず、長期的に勝つ”ための指針となる」と伺ったとき、私は深く共感しました。
そして何より、本の制作を進める中で、横山氏の言葉が万代宝書房の経営判断にも何度となく活きたのです。
「今は、陽を立てるより、陰を整えるときです」
「“形”を作るより、“勢”を呼び込む場をつくりましょう」
出版という仕事もまた、“戦わずして勝つ”が理想。
競合と同じことをしても埋もれるだけで、無理に力をかけるのではなく、自然な流れの中で求められる本を出していく――それが私たちの理念にも重なりました。
まとめ 「違い」を知ることで、〔本質〕に気づく
この本は、現行孫子と竹簡孫子、どちらが正しいかを論じるものではありません。
むしろ、「どう違うか」を知ることで、自分の考え方の深さや方向性を問い直すきっかけになる一冊です。
・孫子を言葉だけでなく構造で理解したい方
・現代の戦略に「調和」や「流れ」の視点を取り入れたい方
・自然法則に基づいた判断をしたい経営者・教育者・組織人
そうした方々に、本書はきっと「読むべき理由」を与えてくれると確信しています。
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