なぜ孫子は「君主」のために書かれたのか?――竹簡孫子の視点から考えるリーダー像

なぜ孫子は「君主」のために書かれたのか?――竹簡孫子の視点から考えるリーダー像

「孫子の兵法」は、戦略の書、あるいは将軍の指南書というイメージを持たれる方も多いと思います。

しかし、竹簡孫子を読み解くと、その本質は「君主のための兵法」であることが見えてきます。

 

つまり、国や組織のトップに立つ者――「リーダー」のための思考法なのです。

 

将軍ではなく「君主」に向けた兵法書という違い

現行の孫子は、戦場に立つ将軍を主語にして語られることが多く、戦術や配置などの実践面が強調されがちです。

 

しかし、竹簡孫子では視点が一段高い。

「いかにリーダーが道(みち)を踏み外さず、民を導くか」

「国全体の力をどう調和させるか」

こうしたテーマが根底に流れています。

たとえば、「勝てるときにしか戦うな」という言葉は、感情ではなく「理」に基づく判断を求めるものであり、これはまさに組織のトップに求められる資質そのものです。

 

経営者・政治家・リーダーが読むべき理由

現代に置き換えれば、企業の社長、自治体の長、プロジェクトの統括者が「君主」に該当します。

 

彼らにとって大事なのは、「戦う力」ではなく、「戦わずに済む状況をどう整えるか」という意思決定の責任です。

 

人材をどう活かすか、無駄な衝突を避けるにはどうするか、長期的に見て最も損が少ない選択はどれか。

 

それは、まさに「兵法」でありながら、「経営哲学」でもあります。

 

民を導くとはどういうことか?「上に立つ者」の責任

竹簡孫子の中では、「道(みち)」という言葉が繰り返し使われます。

 

この“道”とは、ただの正しさではなく、

〔自然の流れに逆らわず、調和と秩序を生み出すための「方向性」〕を指します。

 

君主が「道」を外れれば、兵も乱れ、国も乱れます。

これはまさに、リーダーの心と姿勢が、組織全体の空気を決めるということに他なりません。

 

リーダー自身が「陰陽」を理解し、バランス感覚を持って決断を下すこと。

これが、「君主のための兵法」が説く真意なのです。

 

万代宝書房としてこの観点をどう活かすか

私自身も、小さな出版社の経営者として、「君主」とまではいかずとも、多くの意思決定を日々迫られています。

 

そのとき、竹簡孫子に立ち返ると、「今、動くべきか」「一歩引くべきか」「誰を信じるべきか」――

そうした問いに、静かにヒントを与えてくれるのです。

 

著者・横山成人氏との対話の中で、「経営者は形ではなく勢を見極めることが大事です」と言われた言葉は、今も強く心に残っています。

 

まとめ 君主とは、誰よりも「無用な戦いを避ける者」である

孫子は、リーダーに対して「勝てる勝負だけを選びなさい」と語りかけています。

 

・感情ではなく、原理で判断すること

・一時的な勝利よりも、長く続く秩序を重んじること

・部下や民を守る視点を失わないこと

 

それは、現代のリーダーにも通じる〔トップの哲学〕です。

 

自分の立場や影響力が大きくなったときこそ、この「君主のための兵法」を胸に刻んでいたい。

 

 

 

竹簡孫子研究 戦いの原理は、陽で陰を撃つ

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商品紹介

B5版 268ページ 横山成人 (著) 「孫子」は単なる兵法書ではない。 それは、自然界の法則と完全に整合する戦いの原理を説いた哲理の書である──。 本書は、「竹簡孫子」を原典とし、従来の注釈や現代の常識的な読み解きから一歩踏み込み、陰陽理論という自然法則の視点から孫子を再解釈したのです。 「形」「勢」「虚実」などの章句が持…

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