「全きで勝つ」とは何か? ―― 孫子兵法が教える「完全な勝利」の意味

「全きで勝つ」とは何か? ―― 孫子兵法が教える「完全な勝利」の意味

「勝てばよい」「競争に勝つことこそが正義」――

そんな空気が蔓延する現代において、『竹簡孫子研究 戦いの原理は、陽で陰を撃つ』(著:横山成人)は、まったく異なる勝ち方の哲学を提示しています。

 

それが、「全きで勝つ」という考え方です。

 

「勝てばよい」ではない――孫子が目指した「損耗なき勝利」

従来の戦争や競争では、相手に勝つために犠牲を払うのが当然とされてきました。

しかし、竹簡孫子は真逆の発想です。

「勝つ」とは、相手を滅ぼすことではなく、自国も相手国も無用な損失を被らずに秩序を保ち、結果的に優位を得ること。

 

これは、戦わずして勝つ――のもう一段深いレイヤーにある思想です。

「勝利とは、なるべく誰も傷つけないこと」。この価値観に、私は深く心を動かされました。

 

なぜ竹簡孫子は「完全な勝利」にこだわったのか

本書では、竹簡孫子が「自然の法則(陰陽理論)」と調和して書かれていることが繰り返し示されます。

 

自然界では、強いものが一方的に勝つことはありません。

陽が出れば陰が生まれ、盛者必衰のサイクルが訪れます。

 

だからこそ、瞬間的に相手を打ち倒すことよりも、「全体が調和し、持続可能な状態を保つ」ことに重きが置かれる。

 

これが「全きで勝つ」の思想であり、戦争を避けるという単純な倫理観とは違う、戦略としての深さがあるのです。

 

現代のビジネスに活かせる「全きで勝つ」という戦略思考

この哲学は、現代のビジネス戦略にも大いに応用できます。

たとえば競合他社を徹底的に潰すようなマーケティングは、確かに一時的な利益を生むかもしれません。

しかし、その結果として業界全体の信用が落ちたり、消費者の混乱を招いたりするならば、それは「敗北」に近い。

 

むしろ、自社も相手も長く共存できる状況を作ることが、真に強い経営戦略であるというのが孫子の考え方です。

 

価格競争やSNS上での炎上合戦に巻き込まれないためにも、「無理に戦わず、場を整え、相手が動く余地すら失わせる」ことこそ、「陽で陰を撃つ」という兵法なのだと理解しました。

 

出版の現場でも生きている、無駄な争いを避ける知恵

私たち万代宝書房も、出版という情報戦の中で日々判断を迫られています。

似たテーマの本が出たとき、あえて「ぶつけない」戦略を選ぶこともあります。

価格を下げずに「価値」で勝負することもあります。

 

これらはすべて、「全きで勝つ」思想が背後にある選択です。

 

「削り合うような勝負」ではなく、「自社らしい立ち位置で勝負する」というあり方を、私はこの本から学びました。

 

まとめ 勝つとは、誰も負けない状態をつくること

『竹簡孫子研究』が教えてくれるのは、「競争を避ける」ことではなく、「破壊を伴わない勝利」を戦略的に設計するという、実践的な知恵です。

 

・誰かと争ってばかりで疲れてしまっている方

・会社やチームを率いる立場にある方

・自分のやり方で勝ちたいと願うすべての人に

ぜひこの「全きで勝つ」の思想を味わっていただきたいと思います。

 

 

 

竹簡孫子研究 戦いの原理は、陽で陰を撃つ

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商品紹介

B5版 268ページ 横山成人 (著) 「孫子」は単なる兵法書ではない。 それは、自然界の法則と完全に整合する戦いの原理を説いた哲理の書である──。 本書は、「竹簡孫子」を原典とし、従来の注釈や現代の常識的な読み解きから一歩踏み込み、陰陽理論という自然法則の視点から孫子を再解釈したのです。 「形」「勢」「虚実」などの章句が持…

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