【絶対にやってはいけない指導!】スポーツ指導者が避けるべき「勝利至上主義」の罠

【絶対にやってはいけない指導!】スポーツ指導者が避けるべき「勝利至上主義」の罠

番外編 「指導」の名のもとに何を伝えるべきか

2018年、大学アメリカンフットボールでの危険タックル事件は大きな話題を呼びました。
選手の独断だったのか、監督やコーチの指示だったのか——多くの人が議論しました。
この事件が浮き彫りにしたのは、「勝利至上主義」がもたらすスポーツの本質からの逸脱 です。


30年前の衝撃的なエピソード

この事件を思い出すとき、30年前のある出来事が頭をよぎります。
まだ私が高校教師になったばかりの頃、ある公立高校でバスケットボール部の名監督とされる人物から聞いた話です。

勝利のために犠牲にされた選手たち

その監督は、こう話しました:

「どうしても勝てない相手がいて、控え選手にこう指示したんだ。
『相手のエースがドリブルに入ったら、後ろから押して壁にぶつけろ。それでノーマークが怖くなってプレーが乱れるから』」

指示を受けた選手はその通りに反則を実行。相手エースは怪我を負い、試合を退場。
結果、その試合は勝利し、チームは優勝を果たしました。
しかし、相手選手はその怪我で次の大会にも出場できず、その後バスケットボールをやめてしまったといいます。

その監督はこの話を「勝つためにはそこまでやるものだ」と、自慢話のように語っていました。


勝利至上主義の代償

私はその場で問いかけました:

「怪我をさせた選手、された選手は、その後どうなったのですか?」

監督は答えました:

「二人とも高校でバスケットボールをやめたよ。でも仕方ないよな。」

しかし、彼の言葉からは、二人を本当に気の毒に思う気持ちは感じられませんでした。
その瞬間、私は「どんなに勝利が大切でも、こんな指導者には絶対にならない」と心に誓いました。


子どもたちを「駒」にしてはいけない

スポーツは、技術や勝利を目指す場であると同時に、子どもたちの人格形成の場 です。
勝つことだけを優先し、選手を「駒」のように扱う指導は、スポーツが本来持つ価値を破壊します。

危険な行為を命じられる選手自身は、その行為がどれほど危険かを理解しています。
「自分がされたらどうなるか」 を最もよく知っているのです。
それでも従うのは、指導者への信頼やチームへの責任感からです。
だからこそ、指導者には選手を守る責任があります。


アメフト事件に見る責任の所在

2018年のアメフト事件も、選手の判断で危険タックルを行ったとは考えにくい。

  • 指導者からの指示があったのではないか?
  • 「勝つためなら手段を問わない」というメッセージが選手に与えられていたのではないか?

これらの疑問が浮かびます。
選手を守るべき立場にある監督が、こうした指導を行った場合、その責任は極めて重いものです。


スポーツ指導者への教訓

スポーツ指導者として、以下のことを常に心に留めてください:

  1. 勝利は目的ではなく手段

    • 子どもたちの成長やスポーツの喜びを犠牲にしてまで勝利を追求するべきではありません。
  2. 選手を守る責任を持つ

    • 指導者は、選手が心身ともに健全にスポーツを続けられるよう、適切な環境を作る責任があります。
  3. 人格を育てる指導をする

    • 技術だけでなく、礼儀やフェアプレー精神を重んじる指導が、子どもたちの未来を支えます。
  4. リスクを命じる指導は絶対にしない

    • 危険な行為や反則を指示することは、子どもたちの人生やスポーツへの信頼を壊します。

指導者と保護者へのメッセージ

スポーツの目的は、勝利だけではありません。
子どもたちの成長を支え、人生の大切な教訓を学ばせることが本来の意義です。
「スポーツが人を育てる」という信念を持ち、勝利至上主義の罠に陥らない指導を目指しましょう。


「勝つためではなく、子どもたちを守るための指導を!」
子どもたちの未来を壊さず、スポーツを楽しむ心を育てる環境を一緒に作りましょう。

 

子どものスポーツ指導で絶対押さえたい25のポイント


はじめに

第一条 多くのことを身につけられる年代には、多くのことを伝えることができるコーチが指導をするべきである!

第二条 子どものスポーツは元々遊びの延長である。それゆえ、子どもの指導における練習は楽しくなればならない(mustである)!

第三条 いつ(何歳頃で)、花を咲かせたいのか? 咲かせるべきなのか? を考える!  

第四条「できない」と「子どものために」を考える!

第五条「判断を必要とする状況の設定」と「状況判断」と「フィーッドバック」が仕事    

第六条 スポーツで本能を昇華させているのだ。練習中には大きな声を出せる

第七条 レッテルを貼らない

第八条 「今」が勝負、過去や未来より「今」

第九条 Dream come true!

第十条 指示に従う=良い子、良い選手ではない

第十一条 大人と子どもの動機の違いに注意せよ!

第十二条 練習メニューの組み方

第十三条 フェアプレー精神に学ぶ!

第十四条 「コーチ銀行」と「信頼残高」の話 その1

第十五条 「コーチ銀行」と「信頼残高」の話 その2

第十六条 自分の言葉に気をつけよう

第十七条 「だって…」なし会話

第十八条 聞きたくなる話し方

第十九条 一〇〇〇時間が目安

第二十条 トレーニング原則

第二十一条 信頼できないコーチの条件

第二十二条 イチローに学ぶ

第二十三条 陥りやすいワナ

第二十四条 ミィーティングは人をつくる

第二十五条 スポーツを通じて学んだこと、子ども達に伝えたいこと

番外編 絶対にやっては、いけない指導!

おわりに     

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