父の沈黙の中にあった後悔 ~遺された言葉の重み
父の沈黙の中にあった後悔
~遺された言葉の重み
「俺の骨を戦友のもとに撒いてほしい」――父の遺言に込められた想いは、今も私の心に深く刻まれています。父は一木支隊の残存兵として生き延びましたが、その後も戦友たちへの想いを抱え続けていました。
7年前、妻と共に参加したガダルカナル戦跡巡りツアーで、イル川の河口に父の骨を散骨したことが、この活動の始まりでした。現地で出会ったフランシス氏から「全国ソロモン会」の活動を伺い、帰国後すぐに入会したのです。翌年には、戦没者遺骨収容派遣団に参加し、洗骨や鑑定の補助に携わらせていただきました。
そして今年、6年ぶりに再び戦没者遺骨収容派遣団に加わることができました。
今回の派遣では、現地調査への参加を希望していましたが、主に洗骨や鑑定の補助を担当しました。
12月8日には、背後にシロマカディヒルがそびえるVISALE教会を訪問しました。父が生前、「ここで多くの日本兵が助けられた」と語っていた場所が、まさに目の前に広がっていました。父と同じ景色を見ているのだと思うと、胸に込み上げるものがありました。
そして、12月13日。イル川近くにある一木支隊奮闘慰霊碑に拝礼しました。その場で、父と同じ一木支隊の遺族である木下さんと並び、写真を撮った瞬間、母から聞いた言葉が鮮明に蘇りました。
「お父さんは、『俺はあそこで死ぬべきだった』と、生きて帰ってきたことを悔いていたんだよ。あなたは聞いたかい?」
私は全く聞いたことがなく、その思いを感じ取ることもできていませんでした。しかし、母は続けました。
「なぜお父さんが生きていたか。それは、あなたたち二人の息子がいたからだよ」
父が遺言で「俺が死んだら骨を戦友の元に撒いてほしい」と語った真意を、この時初めて深く理解できたように思います。父にとって戦友たちへの想いは、生涯を通して消えることのないものだったのでしょう。
帰国後の引渡式では、ご遺族が私たち団員に深々と礼をし、花を献じる姿を目の当たりにしました。その姿に触れ、一柱でも多くの御霊を日本へ送還したいという思いが、私たちだけのものではないことを強く実感しました。
そして、この活動をこれからも国民的な事業として、ご遺族や有志、さらには日本・ソロモン諸島・米国の各政府が共に友好と親善を深めながら続けていく必要性を改めて感じました。慰霊と遺骨収容活動という二つの柱が、未だ帰還を待つ御霊とそのご遺族のために、これからも力強く支えられることを願っています。
この活動に可能な限り参加し、父の想いを胸に、戦友たちへの感謝と祈りを未来へ繋いでいきたいと思います。
―― 感謝と祈りを込めて
「父二郎の生きた道」ガダルカナルの戦友のもとへ
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ガダルカナル島帰還兵が語る!~平和への願い~
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