つりひろの男の料理【はじめに】

◆はじめに

 ここに収録した文章は、これまで私が作った料理についてである。

 料理と名がつく以上、ただ肉や魚を焼くというだけではお話にならない。一つや二つの工夫がいる。かといって、手間のかかる料理はできないこともないが、レシピ本とにらめっこで、何度も作りたいと思えない。

 

 ここ何年も料理に関する本は無数にある。料理は視聴率が安定して取れるそうで、TVでも料理番組が増え、本屋にも特別な棚が出来ているくらいである。インターネットでもクックなんとかというサイトもあり、絶大な人気を誇っているらしい。短い料理レシピ紹介動画のサイトも複数あるらしい。私の奥さんもよく利用しているようだ。という私も、TVの料理番組をみて、食材はあれでもいけるな、味付けはこうできるな、これを入れると美味くなるかもなどと、思いを巡らせることはある。

 料理の本は、「つくる」と「食べ歩き」に大別される。TV番組は、それに加え、価格当て、大食いが加わる。つくる方は、専門のコックというか料理人がいるのは当たり前だが、食べる方も専門の料理評論家がいる。さらには、食レポ芸人(タレント)食レポリアクション芸人もいるくらいである。どんなにうまいものでも、毎日食べていると飽きてくるだろうし、無理やり食べさせられる芸人(タレント)もいる。中には栄養の採り過ぎで病気になる人さえ出てくる。そこまで来ると、食べることも命がけということになる。

 

 どこかの国の映画で「最高の料理は何か?」ということであちこちを回り研究したが、その結論は「空腹である」というもので、えらく納得したことを覚えている。実際、料理をおいしく食べるコツは、空腹になってから食べることである。お腹が減っていれば、基本的には何でもうまい(時に、それでもまずいことはないわけではないが…)。

 

しかし、一般に我々は一日三回食事をしなければならない。食べることは、確かに最高の享楽にもなるが、毎日作る方の側からいうと、大変な労力である。それを思うだけでも、一般の主婦は三六五日、献立を考え、自ら調理して、夫や子どもたちに食べさせなければならない。さらに弁当を作る女性さえもいる。

 

 だが、人間とは面白いもので、うまいものを腹一杯食べたいという欲望と同時に、平凡なもので満足する習性を持っている。大抵の日本人は、美食が続くと、ご飯と味噌汁と焼き魚が恋しくなったりする。

 

結局、料理とは何なのだろうか?

 

 日本人の特徴としての、「食域」が広いというのがある。淡白なモノから油っこいモノまで、甘いモノから辛いモノ、酸っぱいモノまで、要は、何でも食べます、雑食ということである。なので、日本は料理天国で世界のあらゆる料理が存在し、一般家庭でも、和洋中が普及している。我々は、それが当たり前のように思っているが、世界の大部分の国では、家庭の食事については大変保守的で、アメリカの家庭では、日本食を料理することは滅多にないのである。日本の食文化は、世界中から吸収することにおいて、間違いなく世界一流である。

 

 ところで、自宅などでの「つりひろの男の料理」の評判はすこぶるいい。私が属しているボランティアでたまにレンタルキッチンを借りて、料理会や持ち寄りパーティ(宴会)を主催するが、毎回、無茶苦茶盛り上がる。席に座わって堪能する人もいるが、キッチンで手伝う人、見ながら飲んでいる人も多数いる。中には「次回は俺(私)も〇〇つくる」と宣言する人もいる(なら、次回、自分で主催してくれないかな…などと正直には言わない)。

 

また、レシピを聞いてきたり、つくるのを見ていて、スマートフォンで写真を撮りながらメモする人もいる。それは、圧倒的に女性が多い。たぶん、「つりひろの男の料理」を真似て、調理するのは女性の方なのだろう、と思う。そういう意味では女性に役に立つかもしれない。少なくても料理に関する私の(もうしかしたら、男の)メンタリティを知ることが出来るかもしれない。

 

この本を読んで、「なんだ! こんなに簡単なのか、なら自分にもできる!」と思っていただければしめたものである。実際にそう言ってくれた男性もいた。

 

料理は食べるのも楽しい。また、自らつくるのも楽しい。でも一番楽しいのは、自らつくった料理を気のあった仲間(家族を含む)と「うまい、うまい」と能書きを少し加えながら、一献傾けることではないだろうか。

 

「同じ釜の飯を食う」である。

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