◆嘘つきについての一考察

◆嘘つきについての一考察

 

(ある本に書いてあったことを再編集)
 営業や販売をやっている人の中で、ウソをついちゃう人がいる。
  ウソつきの人は、これは売れるなあ、と思うと、売れるようにしゃべっってしまう。
  つい、自分の言いたいこと以外に、こんなこと言うと売れるなあ、絶対買ってくれるなあ、ということを言ってしまうのです。ウソを知らずに言ってしまうのです。
 たとえば、この本は、よく売れてるんですよ。これは事実です。
  だから、おたくのところでも、役にたちますよ、ウソですよね。
そんなことが、なぜわかりますか?
 
 でも、言ってしまう。よそで売れているから、おたくのところでも…と思って言ってしまう。
よかれと思って言ってしまうのです。
 
なぜなら、人間が甘いからです。
 
甘い人は、よかれと思って悪いことをしちゃう。
本当に悪い人というのは、悪かれと思って、悪いことをする。
 
傷つける目的で、悪いことをする。
でも、悪い人ではないとしたら、甘い。
相手が喜ぶと、もういくらでもウソが出ちゃう。
止まらなくなっちゃうのです。喜んでくれるのが嬉しくて。
たとえば、子どものときに、たいして勉強もしていないのに、ムチャクチャ運のいい日で、いい点がとれるたとする。
いつもなら平均点30点ぐらいだけど、60点ぐらいとったりすると、お母さんが「すごいじゃない。そういえば勉強してるよね、最近」と言う。
自分には思いあたることがないのに、「うん、やってる」と、言っちゃうみたなもの。
つい、言ってしまう。その上、「昨日はそういえば、テレビ見てなかったわねえ。徹夜で勉強したんだ」と言われると、「う、うん。まあ。あの…うん」と、こうなっちゃう。
「すごいねー、またやるの」って言うと、全然やる気ないのだけど、「やるかも知れない」と、お母さんが喜ぶものだから、もう次から、次から次から、ウソをついちゃう。
 
  それが日常的になりますと、止まらなくなる。
  体質になっちゃうのです。プログラム化されちゃう。
そして、喜んでもらうには、ウソつきゃいいんだ、というのをプログラム化していく。
だんだん、自信がついて、人を喜ばせるぐらい何でもないじゃん。
害にならない程度のウソなら、いくらついたっていいんだ。裏切りさえしなきゃいいんだ。というふうに。
 
だんだん拡大解釈というのが起きるのです。
最後には、殺さなきゃいいんだ、みたいになってくる。
特にビジネスでは、それで成果が上がる、要するに、売上げが上がるのです。
 
だから、もう自分の言いたいことなんてなくなってしまう。
相手にどんなふうに言ったら喜ぶかなぁ、ということを、キャッチして、相手が喜びそうなことをバッバッバーと言うと、もうお商売になってしまう。
そして、「あー、うまくいっちゃった」。
危険なのは、お母さんを喜ばせている子どもは、そうなりがち。
大人になってもやってしまう。
 
いけないわけじゃないのだけれど、その子どもは、たとえ20歳になろうが、30歳になろうが、大人にはならない。
なぜかというと、自分の考えというのが、なくなるから。
人の喜びそうなことばかり言ってしまう。
 
 結局、あなたの考えは何?と言われると困ってしまう。
 そんなん言いったら嫌われる、嫌われるとわかっていることを誰が言うか。
 
 賢い人というのは、もう何度も嫌われながらも、今度こそ本当のことを言おうと思い、また嫌われる。「お前はホントのことばっかり言ってバカだ」とか、「子どもだ」とか、でも本当のことしか言いたくない。
 
これは厳しい人。
 
 そういう人しか、実は、生き残れない。
だから正しいことを言っているのに、なぜ人は聞かないのだろう、それは違う。
 
  勇気がなきゃ。正しいことさえ言えば、人は耳を傾けるなんて、とんでもないです。
  正しいことを言えば、人は嫌う。
  だから真実を言い続けて、なおかつ好かれる人間というのは、厳しくなきゃ無理。
 
 たとえば、頭がよくて、能力もあって、才能もあるのに、ただ好かれることを最優先した結果、最終的には自分が何を考えているかわからなくなってしまう人がいる。
 
 だから、次から次から、誰かに好かれるために、ウソをつかざるをえない。そして、もっと好かれるには、もっとウソをつかなきゃいけない。
 だから、その人の目をみれば、わかる。
「今あの人は、自分のことどう思ってるだろうか」という目、顔色をうかがう。
そういう目になります。信念というのは何もない。
 
 それで、どうなるかというと、それで終わればいいのですけれど、賢い人は、ウソついている人ってすぐわかるから、相手にしない、結局。
 
 賢い人というのは、何が賢いかというと、相手が本当のことを言っているか、ウソを言っているかを見抜く力があるということ。
 
 だから、結局、ウソをつく人は、賢い人と取引もできないし、友達もできないし、結婚もできないのです。たまにいい奥さんをもらったって、奥さんが見限っちゃう。
 
 だから、ウソをつく人は、自分のウソに騙される程度のアホしか、相手にできないから、アホとしかいっしょに暮らせない。
 
 でも、人間というのは、賢い人を望んでいる。
 もう夢のような人って、結局賢い人。
 なのに賢い人にウソをついて、すぐ嫌われる。だから賢い人は怖い。
 それで、どうなるかというと、爆発してしまう。
 だから、ウソつきの人は、だいたいヒステリー、そして、ストレスから病気になる。
 
 いいことは、1つもないのだけど、20代、30代になって、ウソしかつけない人っていうのは、もう、手遅れ。
 自分の望んでいることと、やっていることが、まったく違う。
 
 凶悪事件は、何で毎日のように起きるのか?
 実は、そういう人たちが起こす。
 
 ウソしかつけない人は、結局、賢い人は相手にしないから、弱い人を相手にするしかない。
 
 だって、そういう人しか騙せない。
 だからか、精神分析がはやる。
 教育ですら、心の教育をやる、カウンセリングを入れる。
 ウソをつく人って、どんな人か。
 世の中が厳しいということを知らない。もう1つ別の言葉でいったら、ウソが通用するのだと信じている。
 でも、それはアホの世界でしか無理だということが、わからない。
 
 ウソをつくことは悪いことだというのは、意味がない。
 ウソをつくことは、いけないことだ。みんなでやめましょう。と言ったとおろで、世の中は、ウソで固められた部分がある。
 
 戦争は全部そう。ビジネスだって、ウソをつくのがうまい人が成果を上げているから、ウソが悪いと百万回聞いたって、止められない。
 
 ウソの本質を観ないと…。
 
 

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