◆冤罪、特に再審請求は、複雑であり、再審決定を取るのは、非常に困難です。
◆冤罪、特に再審請求は、複雑であり、再審決定を取るのは、非常に困難です。
実務における再審準備では、大きな５つの壁にぶつかります。
①専門知識をもった弁護団が必要である。
再審に請求するには、証拠分析、科学的鑑定、法医学、供述の変遷の分析など、弁護団（学者も含む専門家グループ）での解決が必要になります。係属してからは、証拠開示、メディア対策、接見、支援グループの連携も必要です。
書面一つ書くのも、期間が短い場合もあり、複数で分担して、推敲して書く必要があります。一人や数名の弁護士でできる量ではありません。
仮に、全面可視化や証拠全開示が進めば、その分析には、相当なマンパワーが必要となります。
それぞれの専門家が総力をあげてとりかからないと、壁はくずれない、「針穴にラクダを通す」より難しいことです。
名張毒ぶどう酒事件みても、その厳しさ、困難さがわかります。
再審事件は、大学を出て、弁護士資格とって、刑法の専門になったとしても、弁護士の仕事の中でも特殊な分野といえます。
②長期スパンで考えざるを得ない現実
再審は30年以上かかることはあたり前。50年を超える事件もあります。名張毒ぶどう酒事件は事件発生から約53年、第8次再審請求審中であり、袴田事件は、事件発生から約47年、第2次再審請求審中です。
布川事件は、事件発生から再審無罪まで44年、足利事件は、事件発生から再審無罪まで19年の年月を要しています。
しかし、これらの事件が再審開始にたどり着くまでには、長い時間を要したばかりではなく、弁護活動や調査などに莫大な費用や労力を要しています。
③経済的支援が必要であるという現実
再審事件で高額の弁護料を支払える請求人は殆どいません。裁判資料のコピーだけで、何十万円とかかります。データ化するにも、人件費を必要とします。その他、弁護団ミーティング、証拠分析、書面作成、シンポジウム参加費などもかかりますが、多くの場合は、弁護士のボランティアです。
今、弁護士は、事務所経営も厳しい中ですから、再審請求のために、時間と労力を使うことは、また、受任したら、途中でやめることも難しいので、経済的にも厳しいものがあります。
④市民の力が必要であるという現実
元裁判官の弁護士木谷明氏は、再審請求は、新証拠と市民感情で動くといいます。新証拠があっても、市民に関心がない事件は、再審の門は開かないといいます。
そのためには、支援団体と連携し、メディアで扱ってもらえるように、働きかけていく必要があります。メディアに取りあげられることで市民感情は大きく動きます。
⑤早期の再審請求受理の必要性
つい数年前までは、上記の4つでしたが、5つ目を加えなくてはいけなくなってしました。死刑の執行されてしますのです。
このような大きな５つの壁があるにもかかわらず、日本では、冤罪の被害者に対し、それを公的に援助する制度は皆無といってよいです。最近は犯罪被害者への支援の重要性が強調され、その方向での制度上の改善が徐々になされてきましたが、冤罪の被害者は、場合によっては権力濫用(犯罪)の被害者にもなり得るにもかかわらず、制度上救済のための改善は全くされてきていません。
紀州のドン・ファンは死んだのか? それとも殺されたのか?
商品紹介
釣部人裕 (著)
2021年4月29日、各局、また、ネットで、「元妻を殺人などの疑いで逮捕した」との報道が一斉に流れた。そして、案の定、すぐに騒ぎは始まった。
警察や検察が逮捕しただけでは犯人ではない、つまり、「容疑者=犯人」という
ことは説明するまでもなく明白なことである。仮に、容疑者が真犯人だったとして
も、さらし者…
警察管理国家
商品紹介
釣部人裕（著）
「これから、日本は警察管理国家にしなくてはいけない」? この言葉は、ある警察官僚出身の国会議員たちが、20年程前にある会合で発言したセリフです。 昨今の報道とこの裏話を聞いて、 「約20年たって本当に実現されてしまった、間違いなく、これが警察管理国家だ! 」 と私は思ったのです。 言うまでもなく、以前から…
司法の裏金～警察・検察・裁判所の裏金作りの手口と権力の本質を歪める働き
商品紹介
著者：川上 道大・生田 暉雄・釣部人裕
B6版、260頁
これまで警察・検察・裁判所それぞれの裏金を個別に明らかにした書籍は存在しました。本書により、日本の捜査、裁判の全ての機関が裏金の獲得に毒されている状況が一見して明白になったのです。
もくじ
はじめに
序章 警察・検察・裁判所 三機関の裏金を全て集約することの絶大な意…
児童相談所の闇～闇から抜け出るために何をはじめるか～
商品紹介
内海 聡 著 B6版220頁
私が児童相談所の本を書いてからもう10年が経とうとしている。私は「その話」を最初に聞いたとき、信じることができなかった。薬害研究の専門家医、医原病治療の専門家としてこの世界の医学の問題、また社会の不条理に関しては数多く接してきた。そんな私でも「その話」を最初は信じることができなかったことは懐か…
和歌山カレー解説本 【チャートで解説】和歌山カレー事件 再審請求書面を解析してみると…
商品紹介
釣部人裕 著, 生田暉雄 監修
再審弁護人 生田暉雄弁護士が解析する「和歌山カレー事件」は、これまで報道されていた「和歌山カレー事件」とは大きく異なっていた。
報道等では、ヒ素のことが扱われているが、それ以前に、この事件は24件の事件であり、「毒カレー事件」は、その一つでしかない。死亡した4人の死因の直接証拠、解剖結果、…
元検事の目から見た芥川龍之介『藪の中』の真相
商品紹介
村上康聡 著 B6版 128頁
芥川龍之介は、大正11年1月、雑誌「新潮」に短編小説『藪の中』を発表しました。
一般に、事件の真相がはっきりしないことを、この小説の題名や小説の中の犯行現場が藪の中であることからか、「真相は藪の中」などと言われています。 この小説の中の真相は何であったのか、犯人はいったい誰であるのか、そして、作…
冤罪はこのように晴らす～「捜査法」の無い日本で起きた 「和歌山カレー事件」の冤罪の晴らし方
商品紹介
生田暉雄 著
「和歌山カレー事件」は、わが国でははじめてと言ってもよい、捜査機関による意図的な冤罪事件です。言葉を換えれば、捜査機関は、故意に真犯人を逃がし、真犯人に代えて無辜の第三者を犯人とした事件です。 「和歌山カレー事件」の以上のような全貌をまとめたものが本書です。
冤罪・ 死刑を弄ぶ国 ~死因の証拠がない死刑判決「和歌山カレー事件」
商品紹介
生田暉雄 著
私は、国民の一人として、元裁判官として、弁護士として、国民の皆さんに、是非とも知ってもらいたい「真実」があります。その「真実」とは、「和歌山カレー事件」の死刑判決についてです。本書及び『和歌山カレー事件を解析してみると』をご一読していただけるならば、直ちに「和歌山カレー事件」の再審を開始すべきであること…
「死体」からのメッセージ【改訂新版】
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凶器を特定。証拠ねつ造の実態を掴む。冤罪を覆す決め手。
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『「死体」からのメッセージ』
常識の色眼鏡を外せ！
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